カルダマ
カルダマ · Kardama
ブラフマーの子で創造の祖の一人。名は「泥」を意味する。妻を求めて一万年苦行し、満足したヴィシュヌの喜びの涙が落ちて池となった。マヌの娘デーヴァフーティを娶り、苦行の力で空飛ぶ宮殿を作って妻と世界を巡った。サーンキヤ哲学の開祖カピラの父。
解説
概要
カルダマは、ヒンドゥー教の伝承に登場する聖仙で、創造神ブラフマーの子として、世界の創造を担った祖(プラジャーパティ)の一人に数えられる。名は「泥」を意味する。妻を求めて一万年の苦行を行い、最初の人間マヌの娘デーヴァフーティを妻に迎えた。二人のあいだには九人の娘と、インド哲学の一派サーンキヤの開祖とされるカピラが生まれた。
神話・物語
『バーガヴァタ・プラーナ』第3巻によれば、カルダマはブラフマーの影から生まれた。カルダマは妻を得るために一万年の苦行を行った。これに満足したヴィシュヌは喜びの涙を流し、その涙が落ちた場所が池となった。今日のグジャラートの聖地ビンドゥ・サローヴァラがそれだとされる。ヴィシュヌの助言に従い、カルダマはマヌの娘デーヴァフーティを妻に迎えた。
厳しい修行を積んだ聖仙であるカルダマは、その苦行の力で空を飛ぶ宮殿を作り出し、妻を乗せて世界を旅したという。
二人のあいだにはまず九人の娘が生まれ、それぞれ九人の聖仙に嫁いだ。のちに生まれた息子がカピラである。カピラはサーンキヤ哲学の開祖とされ、『バーガヴァタ・プラーナ』ではヴィシュヌの化身ともされる。父カルダマが出家したのち、カピラは母デーヴァフーティに解脱の教えを説いた。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
ブラフマーの子で、デーヴァフーティの夫、カピラの父。娘の一人にキヤーティがいるとする伝承もある。
文化的足跡
グジャラートのシッダプルにあるビンドゥ・サローヴァラは、亡き母を供養する聖地として知られている。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。