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イラーヴァット
PLATE — इरावान्
BHARATA · ヒンドゥー神話
इरावान्

イラーヴァット

アラヴァン · イラーヴァン · イラーヴァント

Chainwit. / スリ・マリアマン寺院(シンガポール) CC BY-SA 4.0

アルジュナとナーガの姫ウルーピーの子。クルクシェートラの戦いに先立ち自らの首を捧げたと伝えられ、南インドでは切断された頭部の姿で祀られる。

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解説

概要

イラーヴァット(Irāvān / इरावान्)は『マハーバーラタ』に登場する人物で、パーンダヴァの英雄アルジュナナーガの姫ウルーピーの子である。サンスクリット文献では戦死する脇役にすぎないが、タミル・ナードゥではアラヴァンの名で村の神として篤く祀られる。クーッタンダヴァル信仰の中心神格であり、ドラウパディー信仰においても重要な位置を占める。とりわけ、アラヴァニ(ヒジュラー)と呼ばれるトランスジェンダーの共同体が守護神として仰ぐことで知られる。名はイラー(糧をもつ)に由来し、マドレーヌ・ビアルドーはこれを供犠の犠牲を指す語と解した。

神話・物語

サンスクリット原典の筋は簡潔である。アルジュナはドラウパディーとの婚姻の条件を破った罰として12年の巡礼に出、その途上でナーガの姫ウルーピーと結ばれてイラーヴァットをもうけた。子はナーガロカで母に守られて育ち、成長ののち父と再会するためインドラロカへ赴く。クルクシェートラの戦いではナーガの軍勢を率いて父の側に立ち、多くの敵将を討った。八日目、ガンダーラの王子たちを剣で斬り伏せたが、ドゥルヨーダナの命を受けたラークシャサのアランブシャと幻術を交えて戦い、首を斬られて没する。

これに対し、タミル語圏の伝承はまったく別の主題を加える。9世紀のペルンテーヴァナール『パーラタ・ヴェンパー』が伝えるのは、開戦前に戦場へ捧げられる供犠カラッパリの物語である。新月の日が最も吉であると知ったドゥルヨーダナは、アラヴァンを犠牲に立てようとする。これを聞いたクリシュナは先手を打ち、アラヴァンがパーンダヴァ側のために身を捧げるよう計らった。アラヴァンはカーリーへの人身供犠として自ら首を差し出し、その代償に三つの恩寵を与えられたと語られる。

三つのうち二つが、後世の信仰の骨格をなした。ひとつは、死ぬ前に婚礼を挙げたいという願いである。妻となる者がいないため、クリシュナは女性形モーヒニーとなって自らこれに応じた。もうひとつは、切断された頭の眼を通して戦の全期間を見届けたいという願いである。アルフ・ヒルテバイテルは、この自己犠牲の主題を南インドにおける女神への自己切断の称揚と結びつけ、テルグの英雄バルバリーカの伝承との並行を指摘している。

図像と象徴

アラヴァンは、つねに切断された頭部の姿で祀られる。口髭をたくわえ、目を大きく見開き、耳が大きい。円錐形の宝冠を戴き、額にヴィシュヌ派の標識を置き、耳飾りを着ける。冠の上あるいは背後から蛇の鎌首が現れる作例が多く、母ウルーピーのナーガの血統を示す。もうひとつの特徴は牙である。クーヴァーガムの本尊には見られないが、ドラウパディー信仰の像では鬼神的な相貌が強調される。

行列用の可搬像と、堂内に安置される像とがあり、クーヴァーガムやピッライヤールクッピの像は赤い顔に多彩な装飾を施す。コッタタイやマドゥカライには彩色を施さない黒石の像も残る。頭部の像は寺院の屋根の隅に据えられて悪霊除けとされ、病を癒し、子のない女性に懐胎をもたらすと信じられている。首を刎ねられる場面を描いた絵画も伝わり、なかには自ら斬った首を捧げ持つ姿もある。

系譜と関係

父はアルジュナ、母はウルーピー。継母にあたるドラウパディーの信仰においても重要な位置を占める。アラヴァンという名は、タミル語で蛇を意味するアラヴァムに由来するとする理解が広く行われている。もっともサンスクリットのイラーヴァットとは別語であり、南北の伝承が名の水準でも分岐していることを示す。

文化的足跡

タミル・ナードゥ州クーヴァーガムでは、婚礼と寡婦化を再現する18日間の祭が毎年営まれる。アラヴァニと村の男性たちが儀礼としてアラヴァンと婚礼を挙げ、供犠の再現ののち、その死を悼んで喪の作法を行う。トランスジェンダーの共同体にとって重要な年中行事であり、南アジア各地から参加者が集まる。ドラウパディー信仰の側では、別の18日間の祭で儀礼用の頭部が柱に掲げられ、戦の再現を「見届ける」。

インドネシアにも伝わり、ジャワではイラワンの名で独自の展開を見せた。そこではナーガとの結びつきが失われ、クリシュナの娘ティティサリとの婚姻や、人違いによる死といった筋が語られる。これらは影絵芝居ワヤン・クリを中心とする伝統芸能を通じて伝えられている。近代の解釈では、アラヴァンの頭部は自己犠牲のみならず、再生と持続の象徴としても読まれる。母の手で戦場へ送り出される無数の名もなき者たちを体現する存在として語られることも多い。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

アルジュナ
ウルーピー
इरावान्
イラーヴァット
ヒンドゥー神話
アルジュナ
ウルーピー
इरावान्
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収載データなし
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資料

Wikidata
Q2044664 — 骨格データの出典
Commons
Aravan — 図像カテゴリ