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ヒュドラー
PLATE — ὝΔΡΑ
HELLAS · ギリシア神話
ὝΔΡΑ

ヒュドラー

ヒドラ · ヒュドラ

Wolfgang Sauber CC BY-SA 3.0

ギリシア神話の多頭の水蛇の怪物。切るたび首が倍に増え、一つは不死。テューポーンとエキドナの子で、英雄ヘーラクレースが第二の功業として退治した。

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解説

概要

ヒュドラー(Ὕδρα / Hydra)は、ギリシア神話に登場する多頭の水蛇の怪物である。アルゴリスのレルナの沼に棲み、切り落とすたびに首が倍に増えるうえ、そのうちの一つは不死であった。英雄ヘーラクレースがその第二の功業として退治したことで知られる。

登場する物語

ヒュドラーは、怪物テューポーンと蛇女エキドナのあいだに生まれたとされ、ヘシオドス『神統記』にその名がみえる。冥界の番犬ケルベロスや、火を吐くキマイラと兄弟の関係にある。ヘーラは、ヘーラクレースを亡き者にせんとしてこの怪物を育てたと伝えられる。

功業に臨んだヘーラクレースは、レルナの沼に潜む怪物を火矢で誘い出し、その首を打ち落としてゆく。ところが一つ斬るごとに二つの首が生えてくるため、彼は甥のイオラーオスに助けを求めた。イオラーオスが切り口をたいまつで焼いて再生を封じ、ついに不死の首を斬り落とすと、それを大岩の下に埋めた。ヘーラが加勢に送った大蟹を踏み潰した挿話も知られる。ヘーラクレースはヒュドラーの猛毒の血に矢を浸し、これがのちに彼自身の命を奪う遠因ともなる。首の数は資料によって異なり、九つとするものが多い。倒された怪物と蟹は、うみへび座と蟹座になったと語られる。

図像と象徴

ヒュドラーは、幾筋もの首をうねらせる蛇として、棍棒や剣をふるうヘーラクレース、たいまつを手にするイオラーオス、足もとの蟹とともに描かれる。この退治の場面は、ヘーラクレースの功業のなかでもとりわけ好んで陶器に表された。本図は前6世紀後半のカエレ式ヒュドリア(水瓶)に描かれた一例である。

関係する神格・退治した英雄

親はテューポーンとエキドナ、兄弟はケルベロスやキマイラら怪物たち。討ち手はヘーラクレースで、伝えによっては女神アテーナーが授けた黄金の鎌(あるいは剣)が不死の首を断ったともいう。甥イオラーオスの助けが勝敗を分けた。

文化的足跡

「ヒュドラの首」は、一つ潰してもいくつも現れる、根絶しがたい問題のたとえとして広く用いられる。再生力をもつ淡水生物ヒドラの名も、この怪物にちなむ。うみへび座として夜空にも刻まれ、現代の創作にもたびたび姿を見せる。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

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資料

Wikidata
Q170379 — 骨格データの出典
Commons
Lernaean Hydra — 図像カテゴリ