テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
PLATE — देवकी
BHARATA · ヒンドゥー神話
देवकी

デーヴァキー

デーヴァカの娘 · クリシュナの生母

クリシュナとバララーマの母。兄カンサの予言への恐れから牢に繋がれ、生んだ子を次々に奪われたと語られている女性。

01

解説

概要

デーヴァキー(Devakī / देवकी)は、クリシュナバララーマの母である。ヤーダヴァのデーヴァカの娘で、マトゥラー王カンサの妹(あるいは従妹)にあたる。ヴァスデーヴァに嫁いだが、第八子が兄を殺すという予言のために夫とともに牢へ繋がれ、生まれた子を次々に奪われた。八人の子を産みながら、そのうち手もとで育てられた者は一人もいないという境遇に置かれる。

神話・物語

婚礼の日、兄カンサが自ら戦車を駆って送っていたとき、天の声が彼女の第八子によって兄が殺されると告げた。その場で斬られようとした彼女を、夫が、生まれる子をすべて差し出すと約して救う。二人は牢に繋がれた。

生まれた六人の子は、そのつど兄の手で殺された。プラーナはこの六人に前世の因縁を与える。かつて聖仙マリーチの子であった六人が、ブラフマーを嘲った罪でアスラの家に生まれ、さらに呪いによってこの胎に宿ったとする説明である。第七子はヴィシュヌの計らいで夫の第一夫人ローヒニーの胎へ移され、バララーマとして生まれた。牢の外へは、彼女が流産したと伝えられた。

第八子が生まれた夜、牢の錠は自ずから開き、番人は眠りに落ちた。夫は嬰児を抱えてヤムナー河を渡り、牛飼いの村でヤショーダーの産んだ女児と入れ替えて戻る。取り上げられたその女児は、兄の手をすり抜けて空へ舞い上がり、汝を殺す者はすでに生まれていると告げて消えた。

カンサの死後、彼女と夫は解放され、ようやく子と相まみえた。だが二人はすでに少年であり、幼い日々は牛飼いの村で過ぎている。『バーガヴァタ・プラーナ』は、その埋め合わせを求める彼女の願いを記す。殺された六人の子に一目会いたいという願いに応じ、クリシュナとバララーマは地底のバリの国へ赴いて六人を連れ帰り、母に会わせたのち解脱へ送ったという。

図像と象徴

固有の像容は伝わっておらず、独立した礼拝像の伝統もない。図像に現れるのは、牢のなかで嬰児を抱く姿か、夫が子を運び出す場面である。象徴となるのは牢そのもので、生むことはできても育てることを許されなかった母という位置を示している。

系譜と関係

父はデーヴァカ、夫はヴァスデーヴァ。兄(従兄とする伝えも多い)はカンサ。子はクリシュナ、バララーマ、そして殺された六人。夫の第一夫人ローヒニーとは、バララーマを介して母を分かち合う関係にある。育ての母となったヤショーダーとは、同じ子の母でありながら生涯ほとんど交わらない。

文化的足跡

ジャンマーシュタミー(クリシュナ降誕祭)では、牢での誕生の場面が各地で再現される。マトゥラーには生誕の地とされるクリシュナ・ジャンマブーミ寺院があり、牢を模した堂が置かれている。

近現代の再話では、産んだ子を一人も育てられなかった母という点に光が当てられることが多い。ヤショーダーが「育てた母」として愛情の対象となるのに対し、彼女は「産んだ母」としてつねに喪失の側に置かれる。二人の母の対比は、バクティ文学においても繰り返し取り上げられてきた主題である。

02

領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

देवकी
デーヴァキー
ヒンドゥー神話
कृष्ण
クリシュナ
बलराम
バララーマ
収載データなし
देवकी
デーヴァキー
ヒンドゥー神話
フル系図ページを開く →
04

資料

Wikidata
Q379581 — 骨格データの出典
Commons
Devaki — 図像カテゴリ