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アケル
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AEGYPTVS · エジプト神話
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アケル

エイカー · アケール · ドゥアイ

Jeff Dahl, CC BY-SA 4.0 CC BY-SA 4.0

地平線を人格化したエジプトの神。背を向け合う二頭の獅子として表され、一方は「昨日」、他方は「明日」と呼ばれる。冥界の門を守り、夜の太陽の舟を運んだ。

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解説

概要

アケル(Aker)は、エジプト神話で地平線を人格化した神である。大地の神であり、同時に冥界の神でもあった。東の地平(バフゥ)と西の地平(マヌゥ)の双方を守るとされる。

姿は獅子である。初期には口を大きく開いた伏せた獅子の胴として表され、のちには背中合わせに合わさった二頭の獅子の胴となった。中王国以降は双子の獅子の対として現れ、一方はドゥアイ(「明日」)、他方はセフェ(「昨日」)と呼ばれる。この神の称号「前を見、そして後ろを見る者」は、この造形をそのまま言い表したものである。

神話・物語

祭祀の中心地は分かっていない。神話上の役割がはじめてまとまった形で記されるのは、テティ王の『ピラミッド・テキスト』においてである。

そこでのアケルは、「彼方の地への門」を守る大地の神々の一柱として現れる。死んだ王を、ヘムテト、イケル、ヤグウという三体の蛇の魔物から守る役である。守り方が独特で、王を「取り囲む」——すなわち埋葬する——ことによって、蛇の毒の息から遮断する。埋めることが守ることになっている。同じ働きを助ける大地の神としてゲブが挙げられ、両者はしばしば結びつけられた。一方、別の呪文や祈祷ではこの神がセトと結びつけられ、セト獣の記号で限定されることさえある。セトは風の神であって大地の神ではないから、これは注目すべき異例である。

中王国の『コフィン・テキスト』では役目が変わる。アケルはケルティに代わって「夜の舟に乗るラーの渡し守」となり、冥界の洞窟を通る太陽神を守る。『死者の書』では、冥界の洞窟を通してケプリの石棺を運び終えたのち、朝日となる甲虫の姿の神ケプリを「産む」役を担う。

さらに後代の石棺文には、この神の性格を端的に示す一句がある。ラムセス4世、ジェドコンスイウスアンク、ペディアメンオペトの墓の文書は、太陽神ラーが冥界を進む様子を「セトに斬られたのちのアポフィスがアケルの腹を通っていくように」と描く。ここでのアケルは、もはや門を守る者ではなく、冥界そのものの表現になっている。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、エジプト学の慣行に沿って描かれた線図である。背を向け合って伏せる二頭の獅子のあいだに、二つの山が合わさった「地平線」の記号と日輪が置かれる。日が昇り、そして沈む場所が、二頭の獣に挟まれた一点として図示されている。

後代には、人間の頭を持つスフィンクスの胴を二つ合わせた形でも表された。獅子が地平を守るという発想は、スフィンクスの造形とも重なる。

象徴としてこの神が体現するのは、時間の両端である。ドゥアイ(明日)とセフェ(昨日)という二頭の名がそれを言い切っている。今日という一点は、二頭の獅子に挟まれた日輪の位置にある。地平線が空間の境であると同時に時間の境でもあるという理解が、この図像の骨格になっている。

系譜と関係

明確な系譜は伝わらない。ゲブおよびセトとの結びつきが記され、シューとテフヌトの対を指すルティ(「二頭の獅子」)とも造形の上で近い関係にある。

冥界の守護者としてはアヌビスウアジェトと同じ系列に属するが、この神が守るのは人でも王権でもなく、通路そのものである。門と地平線という、「越える場所」に固有の神格といえる。

文化的足跡

アケルは日本語圏でほとんど知られていない。獅子の姿を持つエジプトの神といえばセクメトが挙げられ、地平線の二頭獅子は美術書の図版として通り過ぎられることが多い。

しかしこの造形は、エジプトの宇宙観を一枚の図に凝縮したものである。太陽が毎晩沈み、毎朝昇るという事実を説明するために、エジプト人は「昨日」と「明日」に姿を与え、そのあいだに日輪を置いた。抽象を図にする方法として、これほど簡潔な例は多くない。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q417407 — 骨格データの出典
Commons
Aker — 図像カテゴリ