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ウーラニアー
PLATE — ΟΥ̓ΡΑΝΊΑ
HELLAS · ギリシア神話
ΟΥ̓ΡΑΝΊΑ

ウーラニアー

ウラニア · ウーラニア · Ourania

Jastrow (2006) PUBLIC DOMAIN

天文を司るムーサで、名は「天の」を意味する。星の運行を説くことが韻文の仕事であったギリシアにおいて、天球儀と指し棒を持つ姿で表され、科学と文学の双方にまたがる領域を担った。

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解説

概要

ウーラニアー(Οὐρανία / Ourania)は、天文を司るムーサである。名は「天の」を意味し、天空神ウーラノスと同根である。ディオドーロスによれば、彼女に教えを受けた者は天(ウーラノス)へと引き上げられるからだという。

天文が詩歌の女神たちの分業に含まれるのは、ギリシアにおいて星の運行を説くことが韻文の仕事であったからである。ヘーシオドスやアーラートスは、農事暦と星座の知識を詩の形で書いた。彼女の管轄は、今日の分類でいう科学と文学の双方にまたがっている。

神話・物語

子として伝わるのは、哀歌の化身とされる楽人リノスと、婚礼の歌の化身ヒュメナイオスである。パウサニアース(9.29.6)によれば、ヘリコーン山のムーサの森へ向かう道には洞窟を模した岩にリノスの像があり、毎年ムーサに先立って英雄として供犠を受けた。このリノスはウーラニアーと、ポセイドーンの子アンピマロスとの子だという。ヒュギーヌス『神話集』161はアポローンとの子とし、ほかにカリオペーやテルプシコラーを母とする伝えもあって定まらない。ヒュメナイオスを彼女の子とする伝えは、カトゥルス第61歌の婚礼歌に明記されている。

天上と思索に関わる女神という位置づけは古典期からみえる。プラトン『パイドロス』(259)では、蝉が死後にムーサたちのもとへ行って地上の人間の様子を報告し、哲学に生きた者のことはカリオペーとウーラニアーに伝えるとされる。ローマ期には星による予言とも結びつき、スタティウス『テーバイス』第8巻は、ムーサたちの友であった戦士コリュンボスに、星の配置からその死を早くに告げていた女神として彼女を描く。オウィディウス『祭暦』第5巻では、5月(マイウス)の名の由来を三柱のムーサが論じ、彼女は年長者(マイヨーレース)に由来するとの説を述べる。

なお、アプロディーテーの別名にもウーラニアー(天上のアプロディーテー)があるが、別の神格の称号であって、ムーサとは無関係である。

図像と象徴

持物は天球儀と、それを指す小さな棒である。星の運行を人に説き示すという所作がそのまま図像になっており、九柱のうちで最も具体的な道具を与えられている。後世には星をちりばめた衣や、頭上の星を伴って描かれることもある。

本ページの主画像は、後2世紀前半のローマの《ムーサの石棺》(ルーヴル美術館 Ma475)に彫られた彼女である。

系譜と関係

父ゼウス、母ムネーモシュネー。九柱の一。子はリノス(父はアンピマロス、アポローンなど諸説)とヒュメナイオス。

文化的足跡

近世の天文学書は扉絵に彼女を掲げることが多く、天球儀を持つ女性像は天文学そのものの記号となった。ティコ・ブラーエが1576年にヴェン島に築いた天文台はウラニボリ(ウーラニアーの城)と名づけられている。ミルトンは『失楽園』第七巻の冒頭で彼女を呼び、ただし自分が呼ぶのは名ではなくその意味だと断って、異教の女神への呼びかけをキリスト教の枠内に収めた。小惑星(30)ウラニアもこの名を負う。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

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資料

Wikidata
Q104002 — 骨格データの出典
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Urania — 図像カテゴリ