タルナ
タルナ · Thalna
エトルリアの出産の女神とされる神格だが、男として描かれることもあり性が定まらない。エトルリア語に文法上の性がないことが、この不定と関わる。青銅鏡のメンルヴァやヘルクレの誕生の場面に立ち会う姿で現れる。
解説
概要
エトルリアの宗教と神話において、タルナは通常、出産の女神とみなされる神的な人物であった。
しかしエトルリアの神格において、定まった性は必ずしも特徴ではない。タルナは男として描かれることもあり、あるいは場面における名の配置によって男の人物と同定されることもある。
その他の職能には、友愛と予言がある。その名は「成長、開花」を意味するかもしれない。
性の不定
エトルリアの神々には、性が定まらないものが複数ある。
タルナ、ウォルトゥムナ、クルス。 いずれも資料によって性が異なる。
エトルリア語の問題。 エトルリア語には文法上の性がない。神名から性を判断できない。
図像による判断。 描かれた姿によって性が推定されるが、同じ神が異なる姿で描かれる例がある。
近代の分類。 「男神」「女神」という分類自体が、ギリシア・ローマの枠組みによるものかもしれない。
青銅鏡における登場
タルナは、エトルリアの青銅鏡に頻繁に現れる。
メンルヴァの誕生。 ティニアの頭からメンルヴァが生まれる場面に、タルナが立ち会う。
ヘルクレの誕生。 ヘルクレの誕生の場面にも現れる。
出産の女神。 これらの場面への登場が、出産の神という理解の根拠である。
若い姿。 若い女として、長い髪を垂らし、装身具をつけた姿で描かれる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
ラサとの関係。 ラサ——エトルリアの女性の下級神格の一群——と混同されることがある。両者の区別は明確でない。
関わる神格・伝承
メンルヴァ、ヘルクレの誕生に立ち会う。ラサと混同される。
ローマのユーノー・ルーキーナ(出産の女神)に相当するとされることがある。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。エトルリア美術の研究において言及される。