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テングリ
PLATE — TENGRI
MONGOLIAN · モンゴル・シベリアの神話
TENGRI

テングリ

テングリ · テンゲル · タンル

オルホン碑文の古チュルク文字 PUBLIC DOMAIN

チュルク・モンゴル諸族の天の至高神で、名は「天」を意味する普通名詞でもある。モンゴル帝国は「永遠なる天の力によって」統治すると宣した。像に表されず、天そのものが神である。九十九柱の天として複数でもある。

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解説

概要

テングリは、チュルクやモンゴルをはじめとするユーラシアの草原の遊牧民の信仰で、あらゆるものを包む天の神である。名そのものが「天」を意味し、空を指す普通の言葉であると同時に、最も高い神の名でもある。像に表されることはなく、天そのものが神とされる。モンゴル帝国の文書は「永遠なる天の力によって」という句で始まり、世界の征服が天の意思として示された。

なお本サイトの分類では、モンゴル・シベリアの体系に含めて扱う。

「天」という名

「テングリ」は「天」を意味する。古いチュルク語のテングリ、モンゴル語のテンゲル、トルコ語のタンル、ヤクート語のタンガラと、ユーラシアの草原地帯に広く分布する語である。中国語の「天」に由来するとする説もあるが、定まっていない。反対に、中国の史書が匈奴の言葉として記した「撐犁」が、テングリを写したものとされている。空を指す普通の名詞であると同時に、最も高い神の名なのである。テングリは、人を裁く者であり、命の源であり、永遠の至高の存在とされた。

天の力による統治

モンゴル帝国の文書は、「永遠なる天の力によって」(モンケ・テンゲリン・キュチュンドゥル)という決まった句で始まる。チンギス・ハンは、この句によって自らの統治が正しいものであることを示した。1246年にグユク・ハンがローマ教皇インノケンティウス4世に送った書簡にも、この句が記されている。世界を征服することが、天の意思とされたのである。中国の天命の考えと構造は似ているが、別の系統に属するものである。

九十九の天

ブリヤートやモンゴルの伝承では、テングリは複数ともされる。人を助ける西の五十五柱の天と、災いをもたらす東の四十四柱の天の、あわせて九十九柱である(エセゲ・マランの項を参照)。ただ一柱の至高の神でありながら、同時に数多くの天が存在するという二重性が、テングリへの信仰の理解を難しくしてきた。

近代のテングリズム

「テングリズム」という語は、20世紀後半に作られた学術用語である。ソ連の解体ののち、中央アジアやロシア連邦のいくつかの共和国では、テングリへの信仰を民族の宗教として復興させようとする運動が起こった。ただし、今日「テングリズム」として示される体系には、近代に組み立てられた部分が多く含まれており、歴史上の信仰の実際とは区別して考える必要がある。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、オルホン碑文の古チュルク文字である。テングリは像に表されることがなく、天そのものが神である。8世紀の突厥の碑文には、テングリの名が繰り返し刻まれ、「上に青き天、下に褐色の大地が造られたとき、その二つのあいだに人の子が造られた」と記されている。

関わる神格・伝承

大地の母エテュゲン・エケと対をなし、ウルゲンやエルリクとともに体系をなす。

天から差し込む光によって身ごもったとされるアラン・ゴアの物語は、チンギス・ハンの血統を天と結びつけるものであった。

遊牧民の軍旗に宿る霊スルデも、テングリの加護と結びつけられた。

文化的足跡

トルコ語の「タンル」やカザフ語の「タニル」は、今日も神を意味する言葉として使われている。

なおモンゴル・シベリアの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

フル系図ページを開く →
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資料

Wikidata
Q2481517 — 骨格データの出典