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ナラクーバラ
PLATE — NALAKUVARA
BHARATA · ヒンドゥー神話
NALAKUVARA

ナラクーバラ

ナラクーバラ · ナラクヴァラ · 那吒俱伐羅

双樹を裂くクリシュナ(ナラクーバラ兄弟の解放) PUBLIC DOMAIN

ヤクシャの王クベーラ(毘沙門天)の子で、兄マニグリーヴァとともにヒンドゥーと仏教の神話に登場する。聖仙ナーラダの呪いで樹に変えられ、幼いクリシュナに解放された。仏教を経て中国に伝わり、毘沙門天の三太子の一人として、道教の哪吒の成立に影響を与えた。

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解説

概要

ナラクーバラは、ヒンドゥーと仏教の神話に登場する、富の神クベーラ(仏教の毘沙門天)の子である。兄マニグリーヴァとともに、聖仙ナーラダの呪いで二本の樹に変えられ、幼いクリシュナに解き放たれた物語で知られる。その名は漢訳の仏典で「那吒俱伐羅」と音写され、その略称「那吒」が、中国の少年神哪吒の名の源となった。ヒンドゥーと仏教の双方にまたがる人物である。

神話・物語

『バーガヴァタ・プラーナ』によれば、ナラクーバラと兄マニグリーヴァは、酒に酔って女たちと裸で水浴びをしていた。そこへ聖仙ナーラダが通りかかった。女たちは恥じて衣をまとったが、兄弟は裸のままであった。ナーラダは兄弟を呪い、二本のアルジュナの樹に変えた。兄弟は樹として百年を過ごすことになる。

やがて、臼に縛りつけられた幼いクリシュナが、這って二本の樹のあいだを通り抜けた。臼が樹に引っかかって、樹は倒れた。すると倒れた樹から、兄弟がもとの姿で現れ、呪いは解けたのである。腹を縄で縛られたクリシュナは、この物語から「ダーモーダラ」とも呼ばれる。

『ラーマーヤナ』第7巻では、ナラクーバラの妻である天女ランバーが、叔父にあたるラーヴァナに辱められる。怒ったナラクーバラは、ラーヴァナが今後意に反して女に触れれば頭が七つに裂けると呪った。この呪いのために、ラーヴァナはさらったシーターに手出しできなかったとされる。

図像と象徴

固有の図像は少なく、双樹の場面ではクリシュナとともに描かれる。主画像は、双樹を倒すクリシュナの図である。

系譜と関係

父クベーラは、仏教では北方を守る毘沙門天となった。唐代の密教の儀軌は、毘沙門天の第三子として那吒太子を挙げる。のちに明代の小説『封神演義』では、哪吒は托塔天王李靖の三男として道教の神となった。

文化的足跡

ナラクーバラから哪吒への変容は、インドから中国へ神が伝わっていった代表的な例として論じられている。

なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
哪吒 中国神話・道教 同一視
哪吒(那吒三太子)の前身。財宝神クベーラの子ナラクーバラが、毘沙門天信仰とともに仏教の陪神として中国へ入り、道教に取り込まれて哪吒となった。

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

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資料

Wikidata
Q3335383 — 骨格データの出典