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SVMER · メソポタミア神話
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ガルラ

ガルルー · Gallû · ガラ

人を捕らえて冥界へ引きずり降ろすとされたメソポタミアの霊。飲食も婚姻も知らず、情を解さぬ者として呪文に描かれる。

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解説

概要

ガルラ(シュメール語 gal.lu、アッカド語 gallû)は、冥界に属し、人を捕らえて引きずり降ろすとされたメソポタミアの霊である。単独の個体ではなく群れとして現れるのが常で、バビロニアの神学が数える七柱の霊の一群に数えられた。祭壇に子羊を供えることで鎮められるとも伝えられる。

この語は人間の敵対者、それも手に負えない危険な相手を指す語としても用いられた。霊の名がそのまま人を形容する語になる点に、この存在の輪郭のなさが表れている。

登場する物語

彼らの姿が最もよく見えるのは『イナンナの冥界下り』である。冥界から連れ戻されたイナンナには、身代わりを差し出すまで解けない条件が課され、ガルラの群れが付き添って地上へ上る。詩はこの群れを、食物を知らず、飲み物を知らず、供えの粉を食べず、献酒を飲まぬ者として描く。夫婦の睦みを楽しむこともなく、口づけする甘い子をもつこともない。彼らは男の膝から息子をもぎ取り、花嫁を舅の家から立ち去らせる。情を解さないことが、この霊の唯一の性格として語られている。

イナンナが身代わりに選んだのは、彼女の不在を悼まぬまま玉座に座っていた夫ドゥムジであった。逃げるドゥムジを追い立てるのがガルラであり、太陽神シャマシュの助けで彼が姿を変えて逃れる場面が繰り返される。結局は捕らえられ、姉ゲシュティンアンナが半年ずつ身代わりを引き受けることで決着した。

祓いの呪文では、ウトゥックと同じく善悪の両側で語られる。「悪しきウトゥックと悪しきガルラは退け。良きウトゥックと良きガルラは在れ」と唱える古バビロニア期の文言が知られる。

図像と象徴

ガルラを描いたと確実に同定できる図像はない。ドゥムジが冥界へ連れ去られる場面と解される円筒印章の押印が知られるが、その読み自体が推定にとどまるため、当サイトは本項目に主画像を置いていない。呪文が彼らに与えるのは姿ではなく否定の連なりであり、食べず、飲まず、愛さないという欠如の列挙によってその存在が形づくられている。

関係する神格

冥界に属し、エレシュキガルの指図で動くとされる。同じ冥界の霊としてナムタルがあり、こちらは女王のスックルという明確な位置をもつのに対し、ガルラは名も個体性ももたない群れとして現れる。総称としてのウトゥックのうちに数えられることもある。連れ去られる側の代表がドゥムジであり、その物語を通じてこの霊は季節の循環と結びつけられた。

文化的足跡

死者を迎えに来る使者という形象は各地にあるが、ガルラは導き手ではなく捕らえ手である。ギリシアの魂の導き手が死者を送り届ける役を担うのに対し、彼らは身代わりを取り立てる債権者のように振る舞う。冥界を、契約と等価交換の場として捉えるメソポタミアの死生観が、この違いによく表れている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q3656706 — 骨格データの出典