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フェル・ジアド
PLATE — FER DIAD
CELTAE · ケルト神話
FER DIAD

フェル・ジアド

フェル・ディアド · フェルディア · フェルディアド

スティーヴン・リード(E. ハル『少年のためのクー・フーリン』1904年 挿絵) PUBLIC DOMAIN

アイルランド神話のコナハトの戦士。クー・フーリンの義兄弟にして同門であり、浅瀬で三日戦って友の槍に討たれた。

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解説

概要

フェル・ジアド(Ferdiad、ダマンの子)は、アルスター物語群に登場するコナハトの戦士である。フィル・ドヴナンの出で、クー・フーリンの無二の友にして義兄弟にあたる。二人は女戦士スカアハのもとでともに武芸を学んだ。

クアルンゲの牛捕り』において、彼は友と敵味方に分かれる。武技において二人は互角であり、違いは二つだけであった——スカアハがクー・フーリンにのみ教えた槍ゲイ・ボルグと、フェル・ジアドの持つ、いかなる武器も通さぬ角のような皮膚である。

神話・物語

コナハト軍がアルスターに侵攻し、クー・フーリンの浅瀬の一騎討ちに足止めされていたとき、女王メイヴは次々と戦士を送り込んだがことごとく破れた。最後に呼ばれたのがフェル・ジアドである。

彼は容易には応じなかった。メイヴの娘フィンダヴァルが酒を注いで誘い、女王が財を約し、恥をかかせ、詩人に風刺を作らせると脅してようやく承知する。義兄弟と戦うことを彼が最後まで拒み続けたことは、物語がくり返し強調する点である。

浅瀬での戦いは三日に及んだ。初日は八本の短剣と投げ槍と槍、二日目は投擲用の槍と長槍、三日目は重い斬撃用の剣。夜ごとに二人は武器を置き、互いに口づけを交わし、馬を同じ囲いに入れ、御者を同じ火にあたらせ、そしてクー・フーリンは薬草を、フェル・ジアドは食物と酒を、それぞれ相手に分け与えた。傷を負った側に薬を送り、飢えた側に食を送る——戦いながら互いを生かす作法が、三日のあいだ守られた。

三日目、優勢に立ったのはフェル・ジアドであった。追い詰められたクー・フーリンは御者ラエグにゲイ・ボルグを求める。ラエグは川の流れに乗せてこれを送った。軽い槍を胸元へ投げて盾を上げさせ、その隙に足指で挟んだゲイ・ボルグを下から突き入れる。槍は体内で無数の棘に分かれ、フェル・ジアドは倒れた。

クー・フーリンは友を抱えて浅瀬の北岸へ運び、その死を長く嘆いた。ああフェル・ジアド、死に売られた者よ。われらの最後の出会いの、なんと悲しいことか。汝は死に、われは残る。永久に別れは悲しい——彼の嘆きは『牛捕り』のなかで最も長い詩の一つをなす。

図像と象徴

主画像は、スティーヴン・リードがエレノア・ハル『少年のためのクー・フーリン』(1904年)に寄せた挿絵で、浅瀬に倒れる彼を描く。ケルト復興期の造形であり、古代の図像はない。

物語が与える標識は、浅瀬と角の皮膚である。彼が死んだ浅瀬はアース・フィル・ジアド(フェル・ジアドの浅瀬)と呼ばれ、ラウス州アーディー(バリャ・アハ・フィルジア)の名の由来とされる。もっとも、名のほうが先にあり、そこから人物が作り出された可能性も指摘されている。名は「煙の男」「対の男」「二本足の男」など、さまざまに解されてきた。

系譜と関係

父はダマン、祖父はダーレ。フィル・ドヴナンの出。義兄弟はクー・フーリン、師はスカアハ。

浅瀬の決闘は『牛捕り』の頂点をなすが、研究者はこれを比較的新しい層とみている。11世紀より古くは遡らず、物語の前半にある同種の一騎討ちの挿話を下敷きにして書かれたものと考えられている。近年の研究者のなかには、二人の関係と死の描写に同性愛的な含みを読む者もいる。

文化的足跡

アーディーの橋通りには、クー・フーリンが倒れたフェル・ジアドを抱える姿のブロンズ像が立つ。町の名そのものが彼の名を負っており、地名と物語が互いを支え合う典型的な例である。近代の再話ではこの決闘が繰り返し取り上げられ、義兄弟が政治の都合で殺し合う悲劇として読まれてきた。夜ごとに薬と食物を交わし合う三日間の描写は、アルスター物語群のなかでも際立って抑制の効いた場面である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q664939 — 骨格データの出典