中世アイルランドの英雄譚にくり返し現れる決闘の型。川の渡し場である浅瀬を場とし、両軍が見守るなか一対一で戦う。『クアルンゲの牛捕り』では、クー・フーリンがこの古い作法を持ち出したために、コナハトの大軍が一人ずつに分解されて足止めされる。フェル・ジアドとの三日にわたる決闘では、日ごとに用いる武器を替え、夜には武器を置いて薬と食物を交わし合う作法まで描かれる。浅瀬は領土の境であり、渡ろうとする者と拒む者が出会う場でもあった。決闘の地が地名として残る例も多く、フェル・ジアドの死んだ浅瀬はアース・フィル・ジアド(現アーディー)と呼ばれる。
GLOSSARIUM · SINGLE COMBAT AT THE FORD