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PLATE — BELENOS
CELTAE · ケルト神話
BELENOS

ベレヌス

ベレノス · ベリノス · Belenos

ケルト語圏に広く祀られた治癒の神。癒しの泉と結びつき、ローマではアポローンと重ねられた。アクイレイアでは都市そのものの守護神とされた。

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解説

概要

ベレヌス(Belenus、ガリア語 Belenos / Belinos)は、ケルト語圏の広い範囲で祀られた神である。名を伝える碑文は51点を数え、その大半はイタリア北東部のアクイレイアに集中するが、ノリクム、ガリア、アクィタニア、ブリタンニアにも及ぶ。癒しの泉と結びつく治癒の神であり、同時に都市と共同体を守る神でもあった。ローマ人はインテルプレタティオ・ロマーナによってこれをアポローンに重ね、しばしば「アポロ・ベレヌス」と呼んだ。

名の由来は決着していない。長らく印欧祖語 bʰelH-(白い、輝く)に結びつけて「輝ける者」と解され、アポローンとの同一視も手伝って、この神は太陽神とみなされてきた。しかしクサヴィエ・ドラマールは、bʰelH- 系の同源語が「輝く」よりむしろ「青白い」「灰色」を意味することを指摘し、太陽神説の足場を疑う。代案としては、ヒヨスを指すガリア語 belenuntia から「ヒヨスの神」とみるシュライファーとビルカーンの説(ヒヨスは古代の重要な薬草で、ラテン語では apollinaris と呼ばれた)、「泉」を意味する語根に遡らせるデ・ベルナルド・ステンペルの説、ガリア語 belo-(強い)に -nos(主)を添えて「力の主」と読むドラマールの説がある。いずれも定説とはなっていないが、太陽よりも治癒・泉・力に寄る点では一致している。

神話・物語

物語は残っていない。大陸のケルトが神話を文字に残さなかったため、この神について知られるのは碑文と奉納物、そして古典期の著述家の断片的な言及だけである。

最もまとまった記録はアクイレイアのものである。240年ごろ、ヘロディアノスはこの都市の守護神としてベレヌスを挙げる。238年、皇帝マクシミヌス・トラクスの軍がアクイレイアを包囲したとき、市民は守護神に祈り、兵士たちは神が空中に現れて市のために戦うのを見たと語ったという。前3世紀にブレンヌス率いるガリア人がデルポイを襲った際、アポローンが自ら神殿を守ったという伝説と、型を同じくする挿話である。テルトゥリアヌスは200年ごろ、ベレヌスをノリクムの国民神と記した。

ガリアでは、癒しの水と結びついた聖所が知られる。アエドゥイ族はブールボン=ランシーの温泉でこの神を祀り、サント=サビーヌの霊泉には巡礼者が病の治癒を求めて訪れた。同地からは産着にくるまれた乳児をかたどった石の奉納物が出土しており、子の癒しを願う祈りの痕跡とみられている。

図像と象徴

確実にこの神を描いたと言える図像は、ほとんど残っていない。名を伝えるのは碑文であって像ではない。ガリアには石像や浮彫が豊富に残るにもかかわらず、ベレヌスに関しては名と像が結びつかないのである。

数少ない手がかりの一つが、ニームで出土したベレヌスへの奉献の宝石である。星のような文様をまとった老いた姿の人物が刻まれており、天体との関わりを示すとも読めるが、確定的ではない。南フランスのサン=シャマから出た、ベレイノに捧げられた浅い石の皿については、ビルカーンが幻覚性の物質を扱う器ではないかと推測している——ヒヨス説と結びついた解釈である。

いくつかの作例では、この神の傍らに女性の姿が添えられる。ガリアの女神ベリサマとする説があり、ベリサマの名もまた belo- に強意の接尾辞 -isama を付した「きわめて強き者」と解される。ノリクムでは、カラヴァンケ山中のポドリュベリで二つの祠が見つかったベレスティスという女神との関わりも指摘される。いずれも名の類似と並置に基づく推定にとどまる。

系譜と関係

系譜を語る文献はない。配偶神とされるベリサマ、ベレナ、ベレスティスは、いずれも推定である。

アポローンとの同一視はローマ期を通じて広く行われたが、この神の信仰はそのなかで一定の独立性を保った。碑文の分布の広さから、ローマ以前に遡る共通ケルトの神であった可能性が高いとみられている。人名にもその名は取り込まれ、ローマ期以前のブリタンニアの部族長クノベリノスは「ベレノスの猟犬」と解しうる。古ウェールズ語の人名リウエリン(*lugu-belinos)は、ルーの名の元となったルグスとの複合とも読める。

文化的足跡

5月1日のケルトの祭ベルテネを「ベルの火」と解し、この神に結びつける説が古くからある。牛を二つの火のあいだに通して病を祓う習俗が伴い、シュライファーは、夏至に集めたヒヨスを焚いて家畜を病と魔から守るドイツの習俗と比較している。ただしベルテネの名とベレヌスの関係は証明されていない。

スロヴェニアでは、19世紀に歴史家シモン・ルタルが記録した治癒神ベリンに、この信仰の残存を見る説がある。鍵を用いて盲目を治すと信じられた存在で、スラヴの神ベロボーグの属性と混じった可能性も指摘される。民俗学者モニカ・クロペイは、妖精に似たベリチという存在にもその痕跡を読む。小惑星11284番と恒星の一つがこの神の名を負い、漫画『アステリックス』のガリア人は「ベレノスにかけて」と誓う。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
アポローン ギリシア神話 同一視
interpretatio romana。「アポロ・ベレヌス」の形で碑文に広く現れ、癒しの泉・神託の機能で重ねられた。ただしローマ期を通じて在来の信仰は一定の独立性を保っている。太陽神としての重ね合わせは *bʰelH- 由来の語源説に依存しており、語源が疑問視される今日では根拠が弱い。
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資料

Wikidata
Q463956 — 骨格データの出典