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PLATE — ASAG
SVMER · メソポタミア神話
ASAG

アサグ

アサック · Asakku · アザグ

叙事詩『ルガル・エ』でニヌルタに討たれる怪物。川の魚を煮え立たせるほどの毒気を放ち、石の軍勢を率いて人を襲ったとされる。

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解説

概要

アサグ(𒀉𒉺 a₂-sag₃)は、シュメール語の叙事詩ルガル・エに現れる怪物である。名は「病を引き起こすもの」と解される。アッカド語ではアサック(asakku)と呼ばれた。研究上は醜怪な悪霊、あるいは「混沌の怪物」と位置づけられる。その毒気は凄まじく、川の魚を生きたまま煮え立たせたと詩は語る。

叙事詩のなかで彼は、天空神アン(アヌ)と大地の女神の子とされる。山(クル)と交わって石の子らを生み、それを軍勢として従えた。山地と結び付けられるこの性格から、メソポタミアの平野に住む人々がザグロス山脈の住民に対して抱いた警戒が、怪物の姿を借りて語られたとみる解釈が提出されている。

登場する物語

『ルガル・エ』では、植物たちに担ぎ出されたアサグが、ニヌルタの定めた秩序に飽いた石の軍勢を率いて国境の町を襲う。詩は彼が「大地の肉を裂き、痛ましい傷で覆った」と表す。武器である喋る棍棒シャルルの報せを受けたニヌルタは、父エンリルに助言を求めたのち出陣した。彼はいったん砂嵐に阻まれるが、エンリルが雨をもたらして視界を開き、アサグを討ち果たす。

戦いののち、ニヌルタは山の氷に閉ざされていた水を解き放ち、ティグリス川の流れを回復させて灌漑を可能にした。さらに、アサグに与した石の一つ一つに用途と運命を割り当てる。葬礼の像の材となる栄誉を得る石もあれば、顧みられず捨て置かれる石もある。討伐譚が世界の秩序づけの物語に接続されている点に、この作品の骨格がある。

別の伝承では、アサグを討つのはアダド(イシュクル)であるとされる。呪術文書や祓いの呪文では、アサックは人を襲って高熱を起こす悪霊として現れ、さらにアンの子である「七柱(あるいは八柱)のアサック」という一群の悪霊が、いずれもニヌルタに討たれたと語られる。

図像と象徴

アサグと確実に同定できる図像は知られていない。日本語・英語の一般向け解説では、首がなく三本の腕と三本の脚をもち、全身に眼を備え、岩のような皮膚で傷つかない姿として描写されることがあるが、こうした造形は古代の資料に裏づけをもたない。

学術的な議論の対象となってきたのは、アッシュルナツィルパル2世がカルフのニヌルタ神殿に立てた大浮彫である。雷を握る神が獅子頭の竜に襲いかかる図で、この竜をアサグとみる読み方がある。同様の場面は新アッシリアの円筒印章にも現れる。ただしこの浮彫については、神の側の同定すらニヌルタとアダドで割れており、怪物の側を確定することはできない。当サイトが本項目に主画像を置かないのはこのためである。

関係する神格

討伐者はニヌルタ、あるいはその地方形であるニンギルスである。詩のなかでニヌルタに助言を与えるのは父エンリルであり、勝利ののち母ニンマー(ニンフルサグ)が天から降って祝う。石を武器として用い、また石を裁く筋立ては、山と石の女神としての母の性格とも呼応している。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q720380 — 骨格データの出典