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PERSIA · ペルシア神話
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アープ

アーパス · アーブ · アーバーン

ゾロアスター教で水を神格化したヤザタ。単数のアープ、複数のアーバーンとして呼ばれ、水そのものが神であるという同定が最も徹底した例とされる。

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解説

概要

アープ(アヴェスター語 āpō、複数 āpas)は、ゾロアスター教において水を神格化したものである。中期ペルシア語ではアーブ、複数形アーバーン。文法上は女性であり、神格も女性の群れとして語られる。単一の女神ではなく、波であれ滴であれ、流れ・池・河・井戸であれ、水であるものすべてが神なのである。

アヴェスター語のアーパスはヴェーダのアーパスに正確に対応し、ともに印欧祖語の語幹 *ap-「水」に遡る。イングランドの河川名エイヴォンも同じ語である。神格と元素の同定はインド・イラン双方で徹底しており、『リグ・ヴェーダ』では神々は飲んで健やかなものであり、アヴェスターでは神々は浴して善いものである。

神話・物語

『ガーサー』と同じ古さをもつ『ヤスナ・ハプタンハーイティ』38.3では、水はアフラの妻たちアフラーニーとして敬われる。大地と聖なる水に捧げられたヤスナ38章は、水を「産み出す者」「われらの生命の母」と呼ぶ。宇宙開闢において水は、天に次ぐ第二の被造物とされた。

注意がいるのは、アーバーン・ヤシュト(ヤシュト第5)である。名目上は水に捧げられているが、実際に讃えられているのは水の女神アルドウィー・スーラー・アナーヒターである。両者の融合は、アルタクセルクセス2世(在位 前404–前358年)以降にアナーヒター崇拝が高まったことによるとみられている。水に同定される神格は他にも多い。アフラ三柱(マズダー、ミスラ、アパム・ナパート)、アムシャ・スプンタ二柱(ハルワタートスプンタ・アールマティ)、そしてヤザタ二柱(アナーヒターとアフラーニー)である。水は、この体系のなかで最も多くの神格に分け持たれている領分である。

図像と象徴

この神格を表した像は伝わらない。本サイトが主画像を掲げないのはこのためである。水そのものが神である以上、像は要らなかったとみるべきだろう。

代わりにこの神格が現れるのは、儀礼のかたちにおいてである。ヤスナ祭儀の最終場面アペー・ザオスラは、文字どおり「水を強める」ための儀礼であり、祭儀全体の帰着点をなす。今日も正統な共同体では、家の井戸や近くの流れに定期的な供物が捧げられている。水を汚さないことは清浄規定の中心にあり、沈黙の塔の葬法もこの考えに立つ。

系譜と関係

暦では各月の第10日と年の第8月を司る。『ブンダヒシュン』は、世界のすべてが載る大いなる水の集まりを世界海ヴォウルカシャとし、これを大河アルドウィー・スーラーが養うと述べる。二つの河が東と西へ流れ出て地を巡り、潮の海プーイティカで浄められてまた世界海へ帰るという。

文化的足跡

イラン暦の第8月アーバーンにその名が残る。水への敬意はゾロアスター教徒の生活のなかに深く根を張っており、今日も水辺に供物を捧げる習慣として続いている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q41989 — 骨格データの出典