テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
GLOSSARIUM · THEYYAM

テイヤム

ケーララ州北部のマラバール地方と、隣接するカルナータカの一部で営まれる儀礼。カリヤーッタムとも呼ばれる。儀礼の歌が八〜十時間にわたって歌われ、準備が重ねられたのち、演者が神聖な頭飾り(ムディ)をつける。その瞬間に神が演者の身体に入ると信じられ、以後演者は神そのものとして振る舞い、信者に祝福と託宣を与える。

演じられる神格は四百を超えるとされ、バドラカーリーやヴィシュヌの化身のような汎インド的な神のほか、ムチロット・バガヴァティ、クッティチャータン、カティヴァヌール・ヴィーラン、ヴァスーリマーラといった在地の神々、そして非業の死を遂げた英雄や女性が多く含まれる。兄たちに殺されたカダンゴット・マッカムとその子ら、火の上に坐すウッチッタ・バガヴァティ、ティーヤ共同体の守護女神プーマーラ・バガヴァティもその例である。ムスリムの船乗りバッピリヤンのように、ムスリムの人物がマーッピラ・テイヤムとして演じられることもある(アーリヤ・プーンカニとバッピリヤン)。

演者は伝統的に、かつて低位とされたカーストの者が務める。儀礼のあいだ、上位カーストの者を含むすべての参加者が演者に跪き、祝福を受ける。日常の身分秩序が儀礼のなかで一時的に逆転する点が、テイヤムの社会的な特徴として論じられてきた。

赤を基調とした化粧と、巨大な頭飾り、椰子の若葉で作る衣装が特徴である。多くの寺院で毎年十二月から五月にかけて行われるが、数十年に一度しか行われない大祭もある。今日も北マラバールの共同体で生きた儀礼として営まれている。

用語集へ

この用語に言及する神格

8柱(知名度順)