クッティチャータン
クッティチャータン · チャータン · ヴィシュヌマーヤー
マラバールの民間信仰の守護神で、丸々とした少年の姿で描かれる。シヴァとパールヴァティーの子ヴィシュヌマーヤーと結びつく。衣に火をつけ石を投げるなどのいたずらをするが深刻な害は与えず、食べ物を求めるという。インド初の立体映画の題材となった。
解説
概要
クッティチャータンは、南インド、ケーララ州マラバール地方の民間信仰における守護神(クシェートラパーラ)で、丸々とした少年の姿で描かれ、頭頂に髷を結っていることもある。「クッティ」は少年、子供を意味し、チャータンの幼い姿を表す。北マラバールでは、神が演者に宿る儀礼テイヤムとして演じられている。ヒンドゥーの体系に含めて扱う。
神話・物語
ヴィシュヌマーヤー・チャータンは、水牛に乗り短い杖を持つ少年の姿で表され、繁栄と祝福を与え、幻を生み出す神として崇められる。神話によれば、シヴァとパールヴァティーの子で、パールヴァティーの霊妙な姿から生まれた。自らの神秘の力でヴィシュヌの姿をとったことからヴィシュヌマーヤーの名を得たとされ、魔物ブルガースラを倒すために生まれたと信じられている。ケーララのタントラの行者たちに崇拝され、北マラバールではクッティチャータン・テイヤムの背後にある神として祀られている。
信仰
クッティチャータンのいたずらは、狙った人の衣に火をつける、石を投げつける、寝床を茨の床に変えるといったもので、ひどく困らせるが、深刻な害を与えることはない。嫌がらせをやめる代わりに食べ物を求めるという。マラバールのヒンドゥーの一部には、正しい呪文とともに定期的に雄鶏を捧げればクッティチャータンは鎮まり、そうしなければ家族を脅かすと信じる人々もいる。
図像と象徴
主画像は、ワヤナードで演じられるクッティチャータンのテイヤムである。
系譜と関係
シヴァとパールヴァティーの子とされ、ヴィシュヌマーヤー・チャータンと結びつく。
文化的足跡
1975年のマラヤーラム語映画『クッティチャータン』のほか、インドで初めて立体映像で撮影された映画『マイ・ディア・クッティチャータン』(1984年)では、三人の子供と友だちになるクッティチャータンが描かれた。2024年の映画『ブラマユガム』にもチャータンが登場する。
なおテイヤムは今日も北マラバールの共同体で営まれている生きた儀礼であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。