テマスカルテシ
テマスカルテシ · 蒸し風呂の祖母 · Temazcalteci
蒸し風呂テマスカルの女神で、名は「蒸し風呂の祖母」を意味する。医術の女神トシと同一視され、医師と蒸し風呂を持つ者に崇拝された。テマスカルは出産と治療と浄めの場であり、狭い入口と暗い内部は子宮の見立てとされた。
解説
概要
アステカ神話において、テマスカルテシ(ナワトル語のテマスカリ「蒸し風呂」+テシトル「祖母」)は、蒸し風呂の女神であった。
サアグンによれば、彼女は医術の女神トシであり、医師によって崇敬された。また、家に蒸し風呂を持つ者たちによっても崇拝された。
テマスカル
テマスカルは、メソアメリカの伝統的な蒸し風呂である。
石造りの小さなドーム状の部屋で、熱した石に水をかけて蒸気を起こす。薬草が加えられることも多い。
出産。 産婦は出産の前後にテマスカルに入った。産婆がこれを管理した。
治療。 病者もテマスカルに入り、汗をかいて病を出した。医術の中心的な設備である。
浄め。 儀礼の前後の浄めにも用いられた。
祖母としての女神
「テシトル」(祖母)の名が示すとおり、この女神は老いた女として表される。
産婆と医師は年配の女が多く、その職能が女神に投影されている。
テマスカルの入口は狭く、内部は暗く暖かい。子宮の見立てとして理解され、そこから出ることが再生とされた。
出産の設備が、そのまま再生の場所である。
トシとの関係
サアグンはテマスカルテシをトシ(「我らの祖母」)と同一視する。
トシは大地の女神であり、トシの祭オチパニストリにおいて、女神に扮した女が犠牲に捧げられ、その皮を剥いで祭司がまとった。
医術、出産、大地、そして皮剥ぎ——これらが同じ女神に配される。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
トシと同一視される。シワコアトルら産婆の女神と職能を共有する。
文化的足跡
テマスカルは今日もメキシコとグアテマラで用いられており、近年は健康法として再評価されている。