ティテュオス
ティテュオス · ティテュウス · Tityos
ゼウスと人間のエラーラーの子である巨人。レートーを犯そうとしてアポローンとアルテミスに射られ、冥界で大地に釘づけにされ二羽の禿鷹に肝臓を啄まれ続ける。タンタロス、シーシュポスと並ぶ冥界の罪人。
解説
概要
ティテュオス(Τιτυός / Tityos)は、レートーを襲おうとしてアポローンとアルテミスに射殺され、冥界で永遠の罰を受ける巨人である。『オデュッセイア』第11巻で、タンタロス、シーシュポスとともに冥界の罪人として描かれる。
神話・物語
アポロドーロスによれば、ゼウスはオルコメノスの娘エラーラーと交わったのち、ヘーラーの目を逃れさせるため彼女を地下に隠した。エラーラーはそこで途方もなく大きな子を産んだ。ホメーロスがティテュオスを大地(ガイア)の子と呼ぶのは、この地下での誕生による。
レートーがデルポイへ向かう途中、ティテュオスは彼女を襲おうとした。レートーの子であるアポローンとアルテミスが矢で射倒したとも、ゼウスが雷霆で撃ったともいう。ヘーラーにそそのかされたとする伝えもある。
『オデュッセイア』でオデュッセウスが冥界に見るティテュオスは、地に横たわって九ペレトロン(約270メートル)の広さを覆い、二羽の禿鷹が両脇から肝臓を啄み続けている。彼は手でそれを払いのけることもできない。のちの詩人は、肝臓が月の満ち欠けとともに再生すると付け加えた。
図像と象徴
本サイトの主画像は、ルーヴル美術館蔵の赤絵式壺(G42)で、レートーの手を取って連れ去ろうとするティテュオスと、弓を引くアポローンを描く。この「レートーを襲うティテュオス」の場面は、前6〜5世紀のアッティカの壺絵で好まれた主題である。

冥界の罰の場面は、近世にティツィアーノやリベーラが描いた。肝臓を啄まれる姿は、プロメーテウスの罰とよく似ており、両者は並べて描かれることもある。

系譜と関係
父はゼウス、母はエラーラー(あるいはガイア)。娘エウローペーは、ポセイドーンとのあいだにアルゴナウタイのエウペーモスを産んだ(ピンダロス)。冥界の罪人としては、タンタロス、シーシュポス、イクシーオーン、ダナイデスと並べられる。
文化的足跡
エウボイア島には、ティテュオスの洞窟と称する場所があったとストラボーンは記す。ルクレティウス『事物の本性について』第3巻は、冥界の罪人たちを現世の人間の心の苦しみの比喩として読み替え、ティテュオスを恋に苛まれる者の姿とした。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。