テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
スヴァローグ
PLATE — SWARÓG
SLAVI · スラヴ神話
SWARÓG

スヴァローグ

スワローグ

Andrey Shishkin CC BY 3.0

スラヴ神話の火と鍛冶の神。天上の鍛冶神として太陽神ダジボグの父とされる。主に12世紀の年代記の注記から知られ、ギリシアのヘーパイストスに相当する存在として現れる。天の火を鍛えた始原の神。

01

解説

概要

スラヴ神話の、火と鍛冶を司る神。天上の鍛冶神として、太陽神ダジボグの父とされる。もっぱら一つの史料——12世紀の年代記に挿入された注記——から知られる神で、そこではギリシアの鍛冶神ヘーパイストスに相当する存在として現れる。天の火を鍛え、金属加工の術を人にもたらした始原の神と解されるが、その姿を伝える証言はきわめて乏しい。火神としての性格が、その確かな核をなしている。

神話・物語

スヴァローグを伝える唯一の直接の史料は、ビザンツの年代記作者マララスの年代記のスラヴ語訳で、『原初年代記』の1114年の項に組み込まれている。その注記では、ギリシアの神々の名がスラヴの神々に置き換えられ、鍛冶神ヘーパイストスがスヴァローグに、その子である太陽神ヘーリオスがダジボグに対応づけられた。物語では、スヴァローグの治世に天から鍛冶の鋏が落ちてはじめて武器が鍛えられたとされ、また彼が一夫一婦の掟を定めたとも語られる。ここからスヴァローグは、天の火の神・鍛冶の神であり、太陽神ダジボグと、竈と鍛冶の火の神スヴァロジチの父と解された。ただしこれは、本来のスラヴ神話そのものというより、キリスト教化以降の書き手がギリシアの筋立てにスラヴの神名をあてはめたものであり、どこまでが古い信仰にさかのぼるかは慎重に見極める必要がある。

図像と象徴

確かな古代の神像は伝わらない。近代以降のスラヴ美術では、鍛冶の槌をふるう逞しい神として、あるいは天の炉のかたわらに立つ姿として描かれてきた。天から降った鍛冶の鋏、炉の火、鍛えられる金属——それらがスヴァローグの領分を象徴する。火が、天の太陽から竈の熾火にいたるまで幾重もの層をなすという発想のなかで、スヴァローグはその最も高い、天上の火に位置づけられた。

系譜と関係

スヴァローグは、太陽神ダジボグと、火の神スヴァロジチ(「小スヴァローグ」の意)の父とされる。研究者は、天の火のスヴァローグ、雷の火のペルーン、太陽の火のダジボグ、竈の火のスヴァロジチというように、スラヴの火の神々を天から地への層として整理してきた。年代記がスヴァローグをヘーパイストスに、ダジボグをヘーリオスに重ねたのは、ギリシアの神々を借りてスラヴの神を語る習合の一例である。かつては名の語源から天空神とする説も有力だったが、今日の言語学ではその語源は疑問視されている。

文化的足跡

唯一の断片的な史料しかもたないにもかかわらず、天の鍛冶神スヴァローグは、後世のスラヴ文化のなかで火と創造の神として想像をかき立ててきた。近代のスラヴ諸民族の文化的再興のなかでその名はふたたび取り上げられ、今日では文学やゲーム、現代の土着信仰のなかにも、火と天の父なる神として姿を見せている。

02

領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

SWARÓG
スヴァローグ
スラヴ神話
ДАЖЬБОГ
ダジボーグ
収載データなし
SWARÓG
スヴァローグ
スラヴ神話
フル系図ページを開く →
04

資料

Wikidata
Q689826 — 骨格データの出典
Commons
Svarog — 図像カテゴリ