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バーバ・ヤーガ
PLATE — БАБА-ЯГА
SLAVI · スラヴ神話
БАБА-ЯГА

バーバ・ヤーガ

バーバ・ヤガー · 山姥婆

Ivan Bilibin PUBLIC DOMAIN

スラヴ、とりわけロシアの民話に現れる妖婆。鶏の足の小屋に住み、臼に乗って空を飛ぶ。人を喰らう脅威にも、試練を課して主人公を助ける援助者にもなる、善悪のどちらとも決めがたい両義的な存在。

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解説

概要

スラヴ神話、とりわけロシアの民話に現れる妖婆。鉄の歯と長い鼻をもつ痩せた老女で、深い森の奥に住む。恐ろしい人喰いの魔女として現れることもあれば、試練を課したうえで主人公を助ける援助者として現れることもあり、善悪のどちらとも決めがたい両義性こそが、この存在の核心である。生と死の境、人の世界とあの世との境を守る番人とも解される。

登場する物語

バーバ・ヤーガをめぐる物語は、19世紀のアファナーシエフらが集めた民話集に数多く残る。もっともよく知られるのは「うるわしのワシリーサ」で、継母にいじめられた少女ワシリーサが、火を求めてバーバ・ヤーガの家を訪れる。無理難題を課された少女は、亡き母の遺した人形の助けでこれをやり遂げ、目の光る髑髏を授かって帰る。物語によって、バーバ・ヤーガは客を喰らおうとする脅威にも、礼儀と勇気を示した者に知恵や宝を与える恵み手にもなる。民話研究者プロップは、彼女を「贈与者」あるいは「敵対者」という二つの役割で説明した。三姉妹がいずれもバーバ・ヤーガと呼ばれる話もある。

図像と象徴

バーバ・ヤーガの住処は、鶏の足の上に立つ小屋である。呪文を唱えないと入口が現れず、小屋はくるりと向きを変える。周囲は人の骨の垣根で囲われ、その杭には眼窩の光る髑髏が掲げられているという。移動の手段も異様で、彼女は臼に乗り、杵で操りながら空を飛び、箒で通った跡を掃き消す。鶏の足の小屋は、遺体を獣から守るために切り株の上に築いたスラヴの葬送建築や、あの世との境の家を思わせるとも論じられる。臼と杵、箒といった日常の道具が、境界を越える魔の力へと転じている点に、この形象の妙がある。20世紀初頭の画家ビリービンの挿絵は、この姿を鮮烈に描き出した。

関係する伝承と存在

バーバ・ヤーガは特定の神ではなく、民話の型のなかで役割を担う存在である。森の獣を従える自然の主とも、死と結びつく者とも語られ、しばしば命の水の泉を守るとされる。似た性格の恐ろしくも知恵を秘めた老女は各地の民間伝承に見られるが、鶏の足の小屋や臼で空を飛ぶ姿といった細部は、スラヴ圏に固有のものである。単純な善悪の型に収まらないその両義性が、後世にわたって語り手の想像力を刺激し続けてきた。

文化的足跡

森に潜む謎めいた妖婆という像は、ロシア・東欧の文化のなかで長く親しまれ、絵画・音楽・バレエ・アニメーションの題材となった。ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』の一曲は、鶏の足の小屋に着想を得ている。両義的で捉えがたいその性格ゆえに、近年は映画・小説・ゲームにも、恐怖と知恵をあわせもつ存在として繰り返し登場している。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q187002 — 骨格データの出典
Commons
Baba Yaga — 図像カテゴリ