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シロナ
PLATE — SIRONA
CELTAE · ケルト神話
SIRONA

シロナ

ディロナ · ツィロナ · Đirona

Siannan(ディジョン考古博物館蔵、マラン出土) CC BY-SA 3.0

ガリアの治癒の女神。蛇を腕に巻き、三つの卵を盛った鉢を手にする。アポロ・グランヌスの伴侶として祀られた。

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解説

概要

シロナ(Sirona)は、治癒の泉と温泉に結びつく古代ケルトの女神である。ガリア東部、二つのゲルマニア属州、ドナウ諸州で崇拝された。

多くは癒しの添え名グランヌスを帯びたアポロー——すなわちグランヌス——の伴侶として、対で奉献碑文と浮彫に現れる。ただし彼女だけを名指しする奉献も相当数あり、単なる男神の女性版ではなく独立した地位を持っていたと解される。最も特徴的な持物は蛇と卵を盛った鉢で、癒しと再生の記号とされる。古典の著述家は一人としてこの名を記していない。

神話・物語

物語は伝わらない。碑文と図像だけが証拠である。

名はラテン語碑文にのみ記録され、多くはシロナ(Sirona)の形をとるが、語頭を D と綴ってディロナ(Dirona)とする例もある。ホホシャイトの聖所の祭壇では、S に横線を貫いた字が刻まれている。ラテン語で表しえないガリア語の音を示すための工夫であった。S と D のこの交替は、語頭が st または ts に由来することを示すとされ、他の碑文でタウ・ガッリクム(Đ)と表される音にあたる。もとの形は *Stirona と再建される。

奉献者には皇帝属吏、都市参事会員、軍団の退役兵、神殿の管理人、そして女性が多く並ぶ。ボルドー、トリーア、ミュールブルク、ヴィースバーデン、マインツなどでは、アポローを伴わず彼女だけが名指しされている。ブルターニュのコルスールではツィロナと綴られ、皇帝の神威とともに呼びかけられた。

最も重要な聖所は、トリーアとマインツのあいだ、フンスリュックのホホシャイトにある。トレウェリ族の地であり、この部族はとりわけこの信仰に力を入れた。2世紀に泉を囲んで神殿が建てられ、湧水は小さな貯水槽に導かれた。参拝者は小像や貨幣を残している。辺鄙な場所にしては豪奢な設えで、近隣の別荘の所有者が費用を負担したのかもしれない。

図像と象徴

主画像は、コート=ドール県マラン出土のガロ=ローマ期の青銅群像である。長衣をまとった女神が右手に蛇を握り、傍らに裸身のアポローが立つ。台座にはガリア語の奉献銘が刻まれ、語頭を Đ と綴った女神の名が読み取れる。ディジョンの考古博物館蔵。

ホホシャイトから出た二体の祭祀像は、ローマ=ケルト美術の最良の作例に数えられる。アポローは古典風の若い裸身の神として、竪琴をグリフォンに預けた姿で表される。シロナは長衣に冠をいただき、片方の前腕に蛇を巻きつけ、もう一方の手に三つの卵を盛った鉢を持つ。

蛇は豊穣と癒し、そして冥界の記号であり、ともに持たれる卵は再生を表す。同じ組み合わせは、近しい性格を持つ女神ダモナにも現れる。アレシアに残る彼女の像は、麦の穂を戴いた頭部と、蛇を絡ませた手である。蛇は、アルティオの熊、ケルヌンノスの牡鹿と並ぶ、土着の獣の標識の一つといえる。サント=フォンテーヌでは果物と麦の穂を、マインツでは葡萄を持つ姿で表され、粘土の小像には母神のように坐して小さな犬を伴う型もある。

系譜と関係

伴侶はアポロー・グランヌス。信仰はゲルマニア諸州とガリア東部、とりわけモーゼル川上流域のトレウェリ族とマインツ周辺に集中する。アエドゥイ族とレウキ族の地からも奉献があり、ラエティア、ノリクム、パンノニア、ダキア、そしてローマ市にまで及ぶ。

名の -ona は神名を作るガリア語の接尾辞で、エポナマトロナ、ダモナにも共通する。第一要素については、印欧祖語の「星」を意味する h₂ster に遡らせ、「星の女神」と解する説が有力である。ランコ・マタソヴィッチは、この語根に属するならば長母音階梯 stīr-ōnā を保つ形とみる。別に、ケルト語の「牛」「若い雌牛」を意味する語に結びつける説もあり、その場合「神なる牛」と解されるダモナ、そしてガラティアの王朝名デイオタロス(「神なる牡牛」)と直接に比較できることになる。

名が「星」に遡るとすれば、天体の女神という読みも成り立つ。ヤン・ド・フリースは慎重ながら、ケルトに星辰崇拝があった証拠となりうるとした。ポール=マリー・デュヴァルは太陽神アポローとの結びつきがこの読みを裏づけるとみる。ヘルムート・ビルクハンは彼女を天上の神々に数え、同時に癒しの力を持つ点で母神たちにも比している。

文化的足跡

ホホシャイトの聖所は現在復元され、泉と神殿の配置を見ることができる。ローマ属州の辺境に、土着の名を保った女神とギリシア風の裸身のアポローが並び立つという光景は、ガロ=ローマ期の宗教のありようを端的に示している。男神がローマの名を取り、女神が土着の名を保つというこの組み合わせは、ガリアの神々の対にくり返し見られる型である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q700106 — 骨格データの出典