シャタニーカ
シャタニーカ · Shatanika · Śatanīka
ナクラとドラウパディーの子で、ウパパーンダヴァの一人。クルクシェートラの戦いに参加したが、戦後アシュヴァッターマンの夜襲によって兄弟とともに殺された。
解説
概要
シャタニーカ(Śatanīka)は、インドの叙事詩『マハーバーラタ』の人物である。
パーンダヴァのナクラとドラウパディーのあいだに生まれた子で、ナクラがシャタニーカという高名な聖仙にちなんで名づけたとされる。
マツヤ国の王ヴィラータと兄弟——この場合は義兄弟——にあたる。
神話・物語
ドラウパディーは五人のパーンダヴァそれぞれとのあいだに一人ずつ子を産んだ。ウパパーンダヴァ(副パーンダヴァ)と総称される五人である。
ユディシュティラとのあいだにプラティヴィンディヤ、ビーマとのあいだにスタソーマ、アルジュナとのあいだにシュルタキールティ、ナクラとのあいだにシャタニーカ、サハデーヴァとのあいだにシュルタセーナ。
クルクシェートラの戦いではパーンダヴァ側に味方したが、アシュヴァッターマンの夜襲によって殺された。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
五人が同じ夜に同じ形で死ぬという結末が、この人物たちを規定する。戦の終結後、眠っているところをアシュヴァッターマンに襲われ、ドリシタデュムナ、シカンディンらとともに殺された。
勝利したパーンダヴァに跡継ぎが残らないという結果が、そこから生じる。十八日の戦いに勝ちながら、次の世代を失う。『マハーバーラタ』が単純な勝利譚として閉じない理由の一つが、この夜襲にある。
関わる神格・伝承
父はナクラ、母はドラウパディー。兄弟はプラティヴィンディヤ、スタソーマ、シュルタキールティ、シュルタセーナ。
パーンダヴァの血統を継いだのは、アルジュナの孫パリークシットである。母の胎内にいたところをアシュヴァッターマンの武器に狙われ、クリシュナによって救われた。ウパパーンダヴァが全滅したのちに残った唯一の後継者である。
文化的足跡
日本語圏では、ドラウパディーの五人の子として一括して言及される程度である。個別の名まで挙げられることはまずない。
しかし夜襲の場面——戦の作法に背いて眠る者を殺す——は、『マハーバーラタ』における戦争の描き方を決定づける挿話である。勝者の側もまた、この夜に失うものを持っている。