シャラ(ウンマの神)
シャラ(ウンマ) · Shara · Šara
ウンマの守護神で農耕・牧畜・灌漑を司り、戦士としても記される。ラガシュのニンギルスとの争いは、シュメール最古の記録された戦争を神々の争いとして語ったもの。『イナンナの冥界下り』では嘆いて身代わりを免れた。
解説
概要
シャラ(Shara)は、都市ウンマとその周辺の集落に結びついたメソポタミアの神である。主としてこの地域の守護神とみなされ、農耕、牧畜、灌漑を司ったが、神的な戦士としても記されえた。
なお、当DBには同名の女神シャラ(アダドの妻)があるが、別の神格である。
系譜と祭祀
前三千年紀には、妻はニヌラ——同じ地域に結びついた——であったが、のち古バビロニア期にはその祭祀が衰え、シャラは代わりにウサハラあるいはクムルムルと結びつけられた。
イナンナとの結びつきはよく確認される。ウンマでは、ザバラムのイナンナと未詳の父の子とみなされた。
神話における位置
『イナンナの冥界下り』において、シャラはイナンナの一時的な死を悼む従者の一人である。イナンナが冥界から戻り、身代わりを探したとき、粗布をまとって灰にまみれて嘆いていたシャラは免れた。同じく嘆いていたラタラクも免れ、嘆かなかったドゥムジが選ばれた。
『アンズー神話』にも現れ、この怪物と戦うことを拒んだ三柱の神の一人である。アダド、シャラ、シャマシュが拒み、最後にニヌルタが引き受けた。
ラガシュとの争い
ウンマとラガシュの国境紛争は、シュメール最古の記録された戦争であり、両都市の主神シャラとニンギルスの争いとして語られた。エアンナトゥムの「禿鷹の碑」は、ニンギルスがウンマを破ったことを記す。
都市の争いが神々の争いとして語られる——メソポタミアの都市国家の戦争は、常に主神の名において行われた。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、ウシュムガルの石碑である(シュメール、メトロポリタン美術館蔵)。
関わる神格・伝承
ウンマの守護神。母はザバラムのイナンナ。妻はニヌラ。ニンギルスと争った。
文化的足跡
ウンマ(現在のテル・ジョーハ)の遺跡からは大量の行政文書が出土しており、シュメールの都市経済を知る主要な資料群となっている。