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レスクヴァ
PLATE — RǪSKVA
NORÐR · 北欧神話
RǪSKVA

レスクヴァ

ロスクヴァ · レスクワ · Röskva

コンスタンティン・ハンセン画《シャールヴィとレスクヴァ——「トールのヨトゥンヘイム行き」のための習作》 PUBLIC DOMAIN

シャールヴィの妹。兄が山羊の骨を割った償いとして、兄とともにトールの従者となった。ウートガルズの技比べでは唯一勝負に立たない。

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解説

概要

レスクヴァ(Rǫskva、ロスクヴァとも)は、北欧神話に登場する人間の少女。シャールヴィの妹であり、兄とともにトールの従者となった。

名は古ノルド語 rǫskr(「速い、勇敢な、有能な」)に由来する。兄の名と同じく、性質を言い当てる語である。

登場する物語

伝わる話は、兄と共有する一つだけである。

ギュルヴィたぶらかし』第44章。トールとロキが旅の途中で農家に泊まり、トールは自分の山羊を屠って一家に振る舞った。骨を傷つけるなという言いつけに反して、兄シャールヴィが腿の骨を割って髄を取る。翌朝、蘇った山羊の一頭が脚を引きずっていた。怒った神への償いとして、農夫は二人の子を差し出す。こうしてレスクヴァは兄とともにトールに仕えることになった。

一行はウートガルザ・ロキの館へ向かう。そこで主人は客たちに技比べを持ちかけるが、勝負に立つのはロキ、シャールヴィ、トールの三人だけである。レスクヴァは数に入らない。その後も彼女について語られることはなく、名が現れるのはこの一連の場面のみである。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、デンマークのコンスタンティン・ハンセンが《トールのヨトゥンヘイム行き》のために描いた習作である。並んで立つ兄妹のうち、右で編んだ髪を垂らし、緑の裳に白い肩掛けをまとっているのがレスクヴァにあたる。この兄妹だけを画面に取り出した数少ない作例である。

固有の持物も逸話もないため、象徴として語れることは少ない。ただし、この少女が何一つさせてもらえないという事実そのものが、物語の構造を照らしている。ウートガルズの技比べは、飲み比べ・早食い・駆け比べ・組打ちという、いずれも力量を測る競技である。同じ償いとして差し出されながら、片方だけが勝負に立ち、片方は立たない。

スカルドの側は、この少女の名を知っていた。エイリーヴル・ゴズルーナルソンは『ソール頌歌』でシャールヴィを「レスクヴァの兄」というケニングで呼ぶ。兄を言い換えるための材料として妹の名が使えるということは、二人の組が聴衆に周知だったことを意味する。物語を持たない者の名が、詩の語彙としては生きていたわけである。

関わる神格・伝承

兄はシャールヴィ。主人はトール。両親は名を伝えられていない農夫の夫婦である。

北欧神話に登場する人間はごく少なく、そのなかで神に仕え続ける者となるとこの兄妹だけである。シグルズのような英雄が神々と関わるのは一時的な接触にとどまるのに対し、この二人は日常的な随行者として神話に居場所を得ている。

文化的足跡

レスクヴァは、北欧神話でも指折りの「情報の少ない登場人物」である。名と、家族と、仕える相手だけが伝わり、行為が一つも伝わらない。

19世紀以降の再話では、兄と対になる存在としてしばしば補われ、性格や見せ場を与えられることがある。原典に照らせば、そのすべてが後世の付け足しである。伝承が残したのは名だけであり、その名が「有能な者」を意味することだけが、この少女について語られる唯一の内容にとどまっている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q1852740 — 骨格データの出典
Commons
Röskva — 図像カテゴリ