レシェフ
レシェフ · ラシャプ · Resheph
戦と疫病の神で、前三千年紀のエブラに遡る。矢をもって疫病を放ち、ギリシア人はアポローンと同一視した。新王国時代のエジプトに受容されて戦の守護神となり、ヘブライ語では神名が「疫病」を意味する普通名詞として残った。
解説
概要
レシェフ(レシェフ、その他多くの異形がある)は、戦と疫病に結びつけられた神であり、前三千年紀のエブラで最初に崇拝された。
現地の万神殿の主要な一員であり、数多くの相(ヒュポスタシス)において崇拝された。そのいくつかは、トゥニプのような近隣の集落と結びつけられた。
なお本サイトの分類では、フェニキア/ウガリットの体系に含めて扱う。
疫病と戦
矢。 レシェフは矢をもって疫病を放つ。矢が病をもたらすという観念は、ギリシアのアポローンと共通する。
ギリシアとの同一視。 ギリシア人はレシェフをアポローンと同一視した。癒しと病、そして矢という属性が重なる。
冥界。 ウガリットにおいて、レシェフは冥界の門番でもあった。
太陽女神シャプシュが地下へ入るとき、その門を守る。
エジプトにおける受容
新王国時代のエジプトに、レシェフの信仰が入った。
戦の神。 ファラオの戦の守護神として、アメンヘテプ2世の時代から祀られた。
図像。 短いスカートをまとい、ガゼルの角のついた白冠をかぶり、盾と斧、あるいは矛を持つ姿で表される。
外来の神。 アスタルト、アナト、バアルとともに、シリア・パレスチナ起源の神がエジプトに受容された例である。
民間の信仰。 王室の祭祀にとどまらず、民間の護符と石碑にも現れる。
旧約聖書
ヘブライ語の「レシェフ」は、普通名詞として「炎」「疫病」「矢」を意味する。
神名から普通名詞へ。 『ハバクク書』3章5節に「その前に疫病が行き、レシェフがその足元に従う」とある。
神名が、疫病を意味する語として残った。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
アポローン、ネルガルと職能を共有する。エブラ起源。
文化的足跡
エジプトのレシェフ石碑は、古代近東の神々の交流を示す資料として重視される。