ペレース
ペレス · Pheres · Pherēs
ギリシア神話の人物の名。クレーテウスの子でペライ市の創建者、アドメートスの父が主に知られる。エウリピデース『アルケースティス』では息子の身代わりに死ぬことを拒む老父として登場。
解説
概要
ペレース(Φέρης)は、ギリシア神話の人物の名である。主として二人が知られる。
同名の人物たち
クレーテウスの子。 イオールコス王クレーテウスとテューローの子で、アイソーン、アミュターオーンと兄弟。ペリアースとネーレウスは異父兄弟。アドメートス、リュクールゴス、エイドメネー、ペリオーピスの父である。
テッサリアのペライ市の創建者である。子のうちリュクールゴスはネメアーの王となり、アドメートスはペライの王権を継いだ。エイドメネーはアミュターオーンと結婚し、メラムプースとビアースの母となった。ペリオーピスは一説にパトロクロスの母である。
エウリピデース『アルケースティス』において、ペレースは老いた父として登場する。息子アドメートスの身代わりに死ぬことを拒み、息子と激しく口論する。「お前は生きることが好きだが、私も同じだ」——老父の言葉は、劇の中心的な問いを担っている。
イアーソーンの子。 イアーソーンとメーデイアの子で、メルメロスと兄弟。コリントスで、母メーデイアによって兄弟とともに殺された。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
第一のペレースは、『アルケースティス』において最も論争的な役を担う。身代わりに死ぬことを拒む父は、非情なのか、それとも当然なのか。エウリピデースは、老父に息子を論破させる。自分の命を求める権利は誰にもない、と。
第二のペレースは、メーデイアに殺された子の一人である。名は祖父の名を継いでいる。
関わる神格・伝承
第一の父はクレーテウス、子はアドメートスら。第二の父はイアーソーン、母はメーデイア。
文化的足跡
日本語圏では、『アルケースティス』の翻訳を通じて、身代わりを拒む老父としてこの名が知られる。