ビアース
ビアス · Bias · Biās
アミュターオーンの子でメラムプースの兄弟。兄弟の予言の力によって難題が解かれ、ネーレウスの娘ペーローを娶った。アルゴスを三分した一家の祖で、アドラーストスの祖父。
解説
概要
ビアース(Βίας / Bias)は、アミュターオーンの子で、予言者メラムプースの兄弟である。兄弟の力添えでピュロス王ネーレウスの娘ペーローを妻に迎え、のちにアルゴスの国の三分の一を得た。孫にアルゴス王アドラーストスがいる。
神話・物語
ビアースがペーローに求婚したとき、父ネーレウスは、ピュラケーの王イーピクロスの牛を連れてくることを条件とした(『オデュッセイア』11巻、アポロドーロス1.9.12)。牛は恐ろしい犬に守られており、盗み出すことは誰にもできなかった。
メラムプースが兄弟のためにこれを引き受け、盗みに入って捕らえられ、一年のあいだ閉じ込められた。獄中で、梁を食う虫たちが、もうすぐ屋根が落ちると話すのを聞き取ったメラムプースは、牢を移すよう求めて難を逃れた。その予言の力に感心したイーピクロスの父ピュラコスは、子のない息子の病を癒すことと引き換えに彼を放ち、牛を与えた。こうしてビアースはペーローを得た。
のちにティーリュンス王プロイトスの娘たちが狂気に陥ると、メラムプースは治療の報酬として王国の三分の一を自分に、もう三分の一をビアースに与えるよう求めた。アルゴスの国はこうしてプロイトスの家、メラムプース、ビアースの三家に分けられた(アポロドーロス2.2.2、パウサニアース2.18.4)。ビアースはプロイトスの娘リューシッペーを妻としたとも伝えられる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
父はアミュターオーン、母はエイドメネー。兄弟にメラムプース。妻はペーロー、のちにリューシッペー。子にタラオス、アレイオス、ラーオドコス、娘アルペシボイアなど。タラオスの子がアドラーストスで、ビアースの家はアルゴスの王家となる。娘アナクシビアーはペリアースの妻となった。
文化的足跡
アレイオスとタラオスらはアルゴナウタイの一行にも加わったとされ、ビアースの子孫はアルゴス王家を通じてテーバイ攻めの七将の物語へとつながっていく。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。