トナカテクートリ
トナカテクートリ · オメテクートリ · 二の主
アステカの創造と豊穣の神で、名は「我らの糧の主」を意味する。天の最高層オメヨカンに住み、人の運命と生まれた日の運勢を定める。オメテクートリと等置され、配偶者はトナカシワトル。日常の祭祀の対象ではない。
解説
概要
アステカ神話において、トナカテクートリは創造と豊穣の神であり、大地に人を住まわせ実り豊かにしたことによって崇拝された。
植民地期の写本の大半は、彼をオメテクートリ(「二の主」)と等置する。配偶者はトナカシワトルであった。
ボルジア絵文書に描かれる。
語源
この神の名は、二つのナワトル語の複合である。トーナカーとテクートリである。
テクートリは一般に「主」と訳される。トーナカーには複数の解釈の可能性がある。一部の研究者はこの語根をトナカー(長母音のオなし)と読み、「我らの肉」あるいは「我らの糧」を意味するとする。
すなわち「我らの糧の主」——食物を与える者である。
職能
トナカテクートリは、天の最高層オメヨカンに住み、そこから世界を見下ろす。直接に人事に関わることは少ない。
しかし人の運命を定める者とされ、子が生まれるとき、その日の運勢はこの神が定めるとされた。
日常の祭祀の対象ではなく、体系の頂点に置かれる神である。抽象的な最高神と、実際に祈られる神が分かれるという構造は、中国の三清と玉皇大帝の関係とも比較できる。
チャンティコの罰
チャンティコが断食を破って焼いた魚と唐辛子を食べたとき、トナカテクートリは彼女を犬に変えて罰したという。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、立つトナカテクートリの図である。
冠を戴き、白い衣をまとった老人の姿で描かれる。豊穣の神でありながら、老いた姿である。
関わる神格・伝承
配偶者はトナカシワトル。オメテクートリと等置される。オメテオトルの一方。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることは少ない。アステカの創造神話において、最高神として言及される。