チャンティコ
チャンティコ · 家に住む女 · Chantico
「家に住む女」を意味する家庭の炉の火のアステカの女神。断食の日に焼いた魚と唐辛子を食べたため犬に変えられた。神殿の火を司るシウテクートリらに対し、家の内側の火を司る。石工と戦士の守護神でもあった。
解説
概要
アステカの宗教において、チャンティコ(「家に住む女」)は、家庭の炉の火を統べる神格である。
焼いた魚とパプリカ(唐辛子)を食べて断食を破り、罰としてトナカテクートリによって犬に変えられた。
ショチミルコの町、石工、そして戦士のあり方と結びつけられた。コロンブス以前および植民地期の複数の絵文書に記述されている。
職能
家の炉の火の女神である。シウテクートリとウェウェテオトルが公的な火——神殿の火、新火の儀礼の火——を司るのに対し、チャンティコは家の内側の火を司る。
同じ火が、公と私で別の神に配されている。
石工の守護神でもあった。火が石を割る技術に関わるためとみられる。
断食を破った罰
断食の日に焼いた魚と唐辛子を食べたため、犬に変えられたという物語は、アステカにおける断食の重さを示す。
祭に先立つ断食は厳格に守られ、これを破ることは重い罪であった。神さえも罰せられる。
犬はアステカにおいて、死者を冥界へ導く動物である。同時に、食用にも供された。神が犬に変えられることは、地位の完全な失墜を意味する。
図像
赤い身色で、蛇の冠を戴き、金の耳飾りをつけた姿で描かれる。武器と盾を持つこともある。
トナルポワリにおいて、チャンティコは「一の犬」の日を支配する。犬に変えられた物語に対応する。
図像と象徴
固有の図像は存在するが、本サイトは主画像を掲げない。
家の火という私的な領域の神が、同時に戦士と結びつくという点が注目される。炉は家の中心であり、それを守ることが戦うことと重ねられる。
関わる神格・伝承
シウテクートリ、ウェウェテオトルと火を共有する。トナカテクートリに罰せられた。
日本の荒神、ローマのウェスタと、家の炉の火を守る神という職能を共有する。
文化的足跡
ショチミルコ(現在のメキシコシティ南部)は、チャンティコの祭祀の中心であった。