トナカシワトル
トナカシワトル · オメシワトル · 二の女
「我らの糧の女」を意味するアステカの創造の女神で、トナカテクートリの配偶者。天の最高層オメヨカンに住み、四人のテスカトリポカを生んだ。人の魂はここから地上へ送られるとされ、出産に際して祈られた。
解説
概要
トナカシワトル(「我らの糧の女」)は、アステカ神話における創造の女神である。オメシワトル(「二の女」)とも呼ばれる。
トナカテクートリ(オメテクートリ)の配偶者であり、二柱で原初の対をなす。
職能
夫とともに天の最高層オメヨカンに住む。世界と神々を生んだ母とされる。
『歴史とメキシコ人の信仰』によれば、この対から四人の子——四人のテスカトリポカ——が生まれ、彼らが世界を創った。
人の魂は、生まれる前にオメヨカンにあり、この対から地上へ送られるとされた。子を授ける女神として、出産に際して祈られた。
名の解釈
「トーナカー」は「我らの肉」あるいは「我らの糧」を意味しうる。トウモロコシを指すとする解釈もある。
「オメシワトル」の「オメ」は「二」であり、対をなすことを名が示している。夫の名も同じ構造である。
二柱の名が対称であることは、この対が一つの原理の二つの相であることを示す。
図像
夫と対で描かれ、しばしば同じ姿勢、同じ衣で表される。区別は性別を示す要素のみである。
テレリアーノ・レメンシス絵文書、ボルジア絵文書に描かれる。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、テレリアーノ・レメンシス絵文書のトナカシワトルである。
対称であることが、この女神を規定する。夫と対をなすために造形され、独立した物語をほとんど持たない。
ただしアステカの宇宙観において、この対がなければ何も始まらない。
関わる神格・伝承
配偶者はトナカテクートリ。オメシワトルと等置される。オメテオトルの一方。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることは少ない。アステカの創造神話において、原初の母として言及される。