ミルコム
ミルコム · ミルコーム · Milcom
アンモン人の国家神で、名はセム語根「王」に由来する。旧約聖書ではソロモンがその祭壇を建てたと記される。ヨルダン東岸のアンモン・モアブ・エドムはそれぞれミルコム・ケモシュ・コースを国家神とした。モレクとの区別は明確でない。
解説
概要
ミルコム(ミルコムとも綴る)は、アンモン人の国家神、あるいは重要な神であった。
ヘブライ語聖書と、かつてのアンモンの領域からの考古学的な発見に確認される。
同様の名を持つ、聖書と考古学に確認される他の神格との関係、そしてカナンの——との関係は議論の対象である。
なお本サイトの分類では、フェニキア/カナンの体系に含めて扱う。
名
「ミルコム」は、セム語根 M-L-K(「王」)に由来する。
「王」を意味する神名。 メルカルト(「都市の王」)、モレクも同じ語根である。
モレクとの混同。 旧約聖書において、「ミルコム」と「モレク」の区別は必ずしも明確でない。写本によって異なる読みがある。
アンモン
アンモンは、現在のヨルダンのアンマン周辺にあった王国である。
アンマン。 首都ラバト・アンモンの名が、今日のヨルダンの首都アンマンに残る。
モアブ、エドムと並ぶ。 ヨルダン東岸には、アンモン、モアブ、エドムの三王国があった。それぞれミルコム、ケモシュ、コースを国家神とした。
旧約聖書の隣人。 これらはイスラエルの隣国であり、しばしば争った。
ソロモンの神殿
『列王記上』11章に、ソロモンが晩年に外国人の妻たちのために異国の神の祭壇を建てたという記述がある。
アンモン人の憎むべきもの。 ミルコムがそのなかに挙げられる。
ヨシヤによる破壊。 のちにヨシヤ王がこれらを破壊したと『列王記下』23章は記す。
考古学
アンマンから、王の像とされる石像が複数出土している。
冠を戴く像。 アトフ冠(エジプト由来の冠)を戴いた男性の頭部が知られる。
神か王か。 これらが神像であるか、神格化された王の像であるかは議論がある。
アンモン語の碑文。 アンマン城塞の碑文に、ミルコムの名が現れる。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、神格化されたアンモン王の像である(ヨルダン博物館蔵)。
関わる神格・伝承
アンモンの国家神。ケモシュ、コースと並ぶ。モレクと混同される。
文化的足跡
ヨルダンの首都アンマンの名は、アンモンに由来する。