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PLATE — MERGEN
MONGOLIAN · モンゴル・シベリアの神話
MERGEN

メルゲン

メルゲン · Mergen

チュルクの豊穣と知恵の神格で、名は「賢い」「巧みな射手」を意味する。弓を射る技と知恵が同じ語で表される。カイラの子でウルゲンの兄弟であり、天の第七層に住む。白い馬を聖獣とする。

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解説

概要

メルゲンは、チュルク系の人々の信仰における、豊かさと知恵の神である。片手に弓矢を持つ姿で描かれ、白い馬と白い色がそのしるしとされる。天の神カイラの子で、ウルゲンの兄弟にあたり、何層にも重なる天の第七層に住むとされる。名はモンゴル語やチュルク系の言葉で「賢い」「弓の名手」を意味し、弓を射る技と知恵とが一つの語で表されている。

なお本サイトの分類では、モンゴル・シベリアの体系に含めて扱う。

射手と賢者

「メルゲン」は、「賢い」と「弓の名手」の両方を意味する語である。的を正確に射抜くことが、そのまま知恵のしるしとされたのであり、狩りを営む人々の価値観がよく表れている。この語は、モンゴルやチュルクの人々のあいだで人名や称号として広く用いられた。

太陽を射落とした射手

「メルゲン」の語を名に負う射手の物語が、モンゴルに伝わっている。世界のはじめ、七つの太陽が草原を焼いていたとき、弓の名手エルヘ・メルゲンは、一矢も外さずにすべてを射落とすと誓った。六つまでは射落としたが、七つ目を射ようとしたとき燕が飛び込み、矢は燕の尾を射抜いただけに終わった。燕の尾が二つに割れているのはこのためだという。誓いを果たせなかった射手は自ら親指を切り落とし、地中に住むマーモット(タルバガン)になった。

エルヘ・メルゲンは人間の射手であり、神としてのメルゲンとは別の存在である。両者は、弓の名手を讃える「メルゲン」という語を共有しているにすぎない。十の太陽のうち九つを射落とす中国の羿の物語とよく似ており、太陽を射落とす英雄の物語は東アジアから内陸アジアにかけて広く見られるが、それが伝わり合ったものか、それぞれ独立に生まれたものかは定まっていない。

天の第七層

チュルクの宇宙観では、天は何層にも重なっている。メルゲンは第七層に住むとされ、ウルゲンはより高い層に、カイラは第十七層に住むとされる。住む層の高さが、神々の位の違いを表しているのである。

白という色

白い馬はメルゲンの聖なる獣であり、白は善き天の色とされた。バイカル湖周辺のブリヤートの人々も、人を助ける西の天を「白い天」、災いをもたらす東の天を「黒い天」と呼んでいる(エセゲ・マランの項を参照)。

図像と象徴

固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。

関わる神格・伝承

カイラの子で、ウルゲンの兄弟である。

文化的足跡

「メルゲン」の語は、今日もモンゴル語で「射手」や「賢者」を意味している。

なおモンゴル・シベリアの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

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資料

Wikidata
Q4187819 — 骨格データの出典