ロノ
ロノ・マクア · Lono · Lono-makua
ハワイ四大神の一柱で豊穣・農耕・雨・平和の神。年ごとのマカヒキ祭の四か月間、戦と労働は禁じられた。キャプテン・クックがその化身と受け取られたかどうかは人類学上の論争となった。
解説
概要
ロノ(Lono)は、ハワイの宗教において、豊穣、農耕、降雨、音楽、平和に結びつけられる神である。
多くの物語の一つでは、豊穣と音楽の神として虹に乗って地上に降り、ラカと結婚した。農耕の伝統では、雨と食用植物と同一視される。世界の創造以前から存在した四大神——クー、カーネ、カーネの双子カナロアとともに——の一柱である。
信仰
ロノは平和の神でもあった。その名誉のために年ごとの大祭マカヒキが営まれ、この期間(十月から二月)、戦と不要な労働はカプ(禁忌)とされた。
ハワイの気象用語では、風下側に雨をもたらす冬のコナ嵐がロノと結びつけられる。ロノは雨をもたらし豊穣を与え、それゆえロノ・マクア(「養う者ロノ」)とも呼ばれた。儀礼は月ごと年ごとの周期で営まれ、一年のうち八か月はルアキニ(神殿)がクーに捧げられて厳格なカプが課された。
キャプテン・クック。 ハワイ人がジェイムズ・クックをロノの化身と受け取り、それがのちに1779年のクックの死を招いたかどうかについては、議論がある。クックがマカヒキの期間中に、ロノの象徴と似た帆を掲げた船で、儀礼上ロノが到来するとされる方角から現れたことは事実である。この解釈をめぐって、人類学者マーシャル・サーリンズとギャナナート・オベーセーカラの論争(1990年代)は、人類学における他者理解の方法論を問う議論として知られる。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、ロノの木像である(ケ・ブランリ美術館蔵)。
マカヒキ祭においては、ロノは長い棒の上に横木を渡し、白い樹皮布(タパ)を垂らした「ロノ・マクア」の像として島を巡った。この形が帆船の帆に似ていたことが、クックをめぐる解釈の背景にある。
四大神のなかでロノは、クーの対極に置かれる。戦と労働の八か月の後に、平和と祭の四か月が来る。年の周期が、二神の交替として構成されている。
関わる神格・伝承
妻はラカ。クー、カーネ、カナロアとともに四大神をなす。
マオリのロンゴと同源である。栽培植物の神という性格が両者に共通し、名も対応する。
文化的足跡
マカヒキ祭は、1970年代以降のハワイ文化復興運動のなかで再興された。今日、ハワイの学校や共同体で、ロノに捧げる競技と祭が行われている。
日本語圏では、クックの死をめぐる話題で名が挙げられることがある。なおハワイの伝統信仰は、今日も一部で継承されている。