カーネ
カネ · Kāne · Kane
ハワイの三大神の最高位で創造と生命の神。赤い土から最初の男を作り、岩を打って泉を湧かせた。人身供犠を必要とせず、信者は東に戸を向け朝の太陽に祈った。マオリのタネと同源。
解説
概要
カーネ(Kāne)は、ハワイ神話において、クー、ロノと並ぶ三大神のうち最高位と考えられる。生殖の神を表し、首長と庶民の祖として崇拝された。創造者であり、暁、太陽、天に結びついて命を与える。
信仰
カーネの崇拝には、人身供犠も労苦を伴う儀礼も必要とされなかった。クムホヌアの伝承によれば、地を創り、海の生き物、獣、植物を与え、男と女を創った。供物は魚、椰子、タロ芋である。信者は家の正面の戸を東に向け、朝の祈りでは太陽に向かうのが常であった。舟を造るときにカーネが呼ばれた。
豚、椰子、パンノキ、アワ(カヴァ)、ワウケ(楮)が聖なるものとされる。
神話・物語
食用植物をハワイにもたらしたとされる。カーネとカナロアは最初カヒキ(遠い故地)から来て、ハワイの島々を共に旅した。ワイピオの谷にしばらく住み、バナナを栽培して平和に暮らしたという。
創造。 クムホヌアの伝承では、カーネは地を創り、赤い土から最初の男を作った。カナロアも同じことを試みたが、その人形は命を得なかった。
水。 カーネは水の神でもある。カーネの水(カ・ワイ・ア・カーネ)は生命の水であり、岩を杖で打って泉を湧かせたという伝えが各地にある。
図像と象徴
固有の古い図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。カーネは像に刻まれることが少なく、その象徴は立石(ポーハク・オ・カーネ)であった。
カーネとカナロアは相補的な力として描かれる。舟造りではカーネが、航海ではカナロアが呼ばれる。カーネは黄道の北端を、カナロアは南端を司る。カナロアは「カーネの意識に対する無意識」とも評される。
関わる神格・伝承
カナロアと対をなす。クー、ロノとともに三大神、カナロアを加えて四大神をなす。
マオリのタネと同源であり、名も対応する。マオリでは森と鳥の神、天地を分けた者であるのに対し、ハワイでは創造神として最高位に置かれる。同じ神が、島群によって位置づけを変えている。
文化的足跡
ハワイ語で「カーネ」は「男」を意味する普通名詞でもある。公共のトイレの表示に用いられるため、ハワイを訪れる者が最初に目にするハワイ語の一つになっている。
なおハワイの伝統信仰は、今日も一部で継承されている。