ラーオダマース
ラオダマス · Laodamas · Lāodamās
エテオクレースの子でテーバイ王。エピゴノイの遠征でアイギアレウスを討ったが敗れ、イリュリアへ去った。七将とエピゴノイの二世代にわたる対称を完成させる人物。
解説
概要
ラーオダマース(Λαοδάμας / Laodamas)は、テーバイ王エテオクレースの子で、エピゴノイ(七将の子ら)がテーバイを攻めたときの王である。敵方のアイギアレウスを討ち取ったが、戦いに敗れてテーバイを去った。
神話・物語
父エテオクレースが兄弟ポリュネイケースと相討ちになったとき、ラーオダマースはまだ幼かった。そのため叔父筋のクレオーンが摂政として国を治め、成人したラーオダマースが王位に就いた。
十年ののち、先の七将の子らがアルゴス勢を率いて再びテーバイに攻め寄せた。アポロドーロス(3.7.3)によれば、ラーオダマースはボイオーティアのグリーサースで迎え撃ち、アドラーストスの子アイギアレウスを討ち取ったが、自らはアルクマイオーンに討たれた。別の伝えでは、敗れたラーオダマースは生き残ったテーバイ人を率いて夜のうちに町を捨て、イリュリアのエンケレイス族のもとへ逃れた。
パウサニアース(9.5.13)もイリュリアへの退去を伝え、落ち延びたテーバイ人の一部がのちにテッサリアのホモレーに移ったと記す。テーバイは攻め手に明け渡され、ポリュネイケースの子テルサンドロスが王となった。
ヘーロドトス(5.59〜61)は、テーバイのイスメーノスのアポローン神殿で、古いカドモスの文字で銘を刻んだ三脚の鼎を三つ見たと記す。その一つは、ラーオダマースが王であったときに遠矢射るアポローンに自ら奉納したと刻まれていた。ヘーロドトスはさらに、このラーオダマースの治世にカドモスの後裔たちがアルゴス勢に追われてエンケレイス族のもとへ逃れたと書いており、伝説の王の名が、神殿の奉納品の銘として歴史家の目に触れていたことになる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
父はエテオクレース。アイギアレウスを討ち、一説にアルクマイオーンに討たれた。
先の七将の戦いではアドラーストスだけがアルゴス方で生き残り、エピゴノイの戦いではその子アイギアレウスだけが死んだ。その死をもたらしたのがエテオクレースの子であったことで、二度のテーバイ戦争は父と子の代で対をなしている。
文化的足跡
逃れた先のイリュリアは、テーバイの創建者カドモスが晩年に王となった地とされる。テーバイの王族が始祖ゆかりの地へ退くという筋として読まれてきた。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。