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フンババ
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SVMER · メソポタミア神話
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フンババ

フワワ · フンバハ · Ḫumbaba

Rama CC BY-SA 3.0 FR

『ギルガメシュ叙事詩』に登場する杉の森の番人。エンリルに森の守護を委ねられた巨人で、ギルガメシュとエンキドゥに討たれ、その死が物語を転回させる。

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解説

概要

フンババ(アッカド語 Ḫumbaba、古いシュメール語ではフワワ Ḫuwawa)は、杉の森に住み、その森を守る巨人である。名の由来も意味もわかっていない。神を示す限定符(ディンギル)を伴って書かれた写本もあるが、神として祀られた証拠はなく、現代の研究では「鬼」「魔物」「巨人」などと訳し分けられている。

姿は人に近いものとして描かれる。エンリルによって森の番人に任じられ、七重の恐ろしい輝き(メラム)をまとうとされた。

登場する物語

シュメール語の詩『ギルガメシュとフワワ』と、アッカド語の『ギルガメシュ叙事詩』第三〜五書板が主要な典拠である。書記学校の教材として短い異本も多数残り、フルリ語・ヒッタイト語への翻案も伝わる。

ギルガメシュは名を残すために杉の森へ遠征を企て、エンキドゥとともに旅立つ。太陽神シャマシュが十三の風を送って番人の動きを封じ、二人は森へ踏み込む。倒されたフンババは命乞いをする。シュメール語版では、身にまとう七つの輝きをギルガメシュが順に取り上げ、無力になったところをエンキドゥが斬る。アッカド語版では、助命を訴えるフンババに対しエンキドゥが「情けをかけるな」と促し、ギルガメシュが首を落とす。番人を殺したのは英雄の側であり、しかもそれは懇願を退けての行いである。

森を切り拓いて杉を持ち帰った二人に、神々は罰を下す。フンババを殺したことと天の牡牛を殺したことの二つが数え上げられ、エンキドゥの死が決まる。友の死がギルガメシュに自らの死を意識させ、叙事詩の後半——不死を求める旅——が始まる。番人の死は、この物語全体の転回点である。

図像と象徴

フンババの図像は、文学作品よりもむしろ日用の品に多く残る。前2千年紀初頭から、渦を巻いた腸のような一本の線でかたどられた正面向きの顔が、粘土の面として大量に作られた。目を見開き、口を横に大きく開いたこの顔は、家の入口に掛けて災いを退ける護符であったと考えられている。主画像に掲げたルーヴル美術館蔵の粘土製の面(AO 9034)がその典型である。

正面から見据える顔というのは、メソポタミアの図像では例外的である。神々も英雄も通常は横向きに描かれるからで、この正面性そのものが、見る者を威嚇する働きを担っていた。腸を模した線が用いられるのは、内臓占いの伝統と結びつけて説明されることがある。

戦闘の場面も残る。二人の英雄が中央の巨人の腕をつかみ、剣を振り下ろす構図が、円筒印章や浮彫板に繰り返し現れる。フンババの図像がギリシアのゴルゴン——とりわけメドゥーサを討つ場面の構図——に影響したとする説があり、正面向きの威嚇する顔という共通点がその根拠とされる。ただし伝播の経路は特定されていない。

関わる神格・英雄

森の番人としての任はエンリルによる。討伐を助けるのはシャマシュで、この神の加護がなければ遠征そのものが成立しない。倒したのはウルクの王ギルガメシュとその友エンキドゥである。

ユダヤ教とマニ教の『巨人の書』に見えるホーバビシュという名は、フンババに由来するとされる。ただしそこで語られる筋は、既知の神話とは重ならない。ルキアノスの著作に見えるコンバボスや聖書のホバブとの関係も提案されてきたが、いずれも有力とはされていない。

文化的足跡

1872年にジョージ・スミスが洪水の書板を報告して以来、『ギルガメシュ叙事詩』は繰り返し翻訳・再話され、杉の森の場面もそのたびに読み直されてきた。20世紀後半以降は、森林伐採と自然破壊の寓話として読む解釈が現れている。原典に近代の環境思想を求めるのは行き過ぎだが、都市国家が木材を求めて遠く山地へ遠征した史実そのものは、この物語の背景をなしている。

現代の創作では、森の番人あるいは魔物としてしばしば登場する。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q425449 — 骨格データの出典
Commons
Humbaba — 図像カテゴリ