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フウ
PLATE — ḤW
AEGYPTVS · エジプト神話
ḤW

フウ

フー · フウ神 · 発声の神

PharaohCrab, CC0 CC0

創造の言葉を人格化したエジプトの神。アトゥムが世界を生み出したときに発した最初の言葉である。認識の神シアと常に対をなす。

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解説

概要

フウ(ḥw)は、エジプト神話で創造の言葉を人格化した神である。名は「発声」「言い放つこと」を意味する。認識を担うシアと密接に対をなす。

九柱神の創世神話において、アトゥムが自らの手で世界を生み出したとき、そのとき発した最初の言葉——それを神格化したのがこの神である。

神話・物語

古王国の『ピラミッド・テキスト』(第251章、第697章)に既に名が見え、死んだファラオの随伴者として現れる。シアとともにトートの従者に数えられた。

中王国になると位置づけが変わる。すべての神がフウとシアに与るとされ、言葉を発することによって宇宙を創ったプタハと結びつけられる。メンフィスの神学が語る「心で思い、舌で言う」創造——プタハが心中に構想し、それを口に出すことで万物が生じたという説明——において、この神は「舌」の側を担っていることになる。

新王国では、フウとシア、そしてヘカ、イレル、セジェムとともに、アメン=ラーの創造の力を構成する一員に数えられた。プトレマイオス朝の時代には、大気の神シューと融合している。

言葉が世界を生むという発想そのものは、複数の文明に見られる。ただしエジプトの場合、その言葉が独立した神格の名を得ている点が特徴的である。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、エジプト学の慣行に沿って描かれた線図である。人の姿で、頭上に舌のヒエログリフを変形させた記号を戴く。

図像として描かれることは稀である。描かれる場合は擬人化された神の姿をとる。持物も獣も伴わない。

象徴として言えることは限られている。この神は、発せられた言葉が持つ力そのものである。エジプトにおいて名を呼ぶことは対象を存在させることであり、名を削ることは存在を消すことであった。王名を削り取った碑文が数多く残るのは、この理解に基づく。フウという神格は、その理解を一柱の神として立てたものといえる。

関わる神格・伝承

シアとは常に対で現れる。認識(シア)と発声(フウ)、思うことと言うことの対である。ヘカ(魔術)を加えた三柱が、太陽の舟に乗って創造の力を支える組をなす。

ただし三柱の扱いには差がある。ヘカには独自の祭祀があったのに対し、フウとシアには神殿も祭祀の中心地も知られていない。抽象の神格化であっても、祀られる神とそうでない神に分かれる。

文化的足跡

日本語圏でこの神の名が挙げられることはまずない。エジプトの創造神話は、アトゥムやプタハやアメンといった主神の名で語られるのが常である。

しかしこの体系が「言葉」「認識」「魔術」をそれぞれ独立した神格として立てていることは、エジプト宗教の性格をよく示している。創造は一柱の神の意志だけで起きるのではなく、思うこと・言うこと・効かせることという三つの働きが揃って初めて成る。フウはそのうちの一つを担っている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q1784364 — 骨格データの出典
Commons
Hu (god) — 図像カテゴリ