グガランナ
グガランナ · Gugalanna
エレシュキガルの最初の夫で、名は「アンの運河監督官」を意味する。『イナンナの冥界下り』でその葬儀が冥界訪問の口実とされる。子はニンアズ。天の牡牛と同一視する説がある。
解説
概要
グガランナ(Gugalanna)は、シュメールの神話で冥界の女王エレシュキガルの最初の夫とされる神である。名は「アンの運河監督官」を意味するとみられ、神々の運河監督官として知られるエンヌギの別名であった可能性がある。エレシュキガルとのあいだの子をニンアズとする伝えがある。
神話・物語
グガランナが登場する場面は一つしかない。『イナンナの冥界下り』で、冥界の門に着いたイナンナは、門番ネティに来訪の理由を問われ、姉エレシュキガルの夫グガランナが死んだので、その葬儀を見届けに来たと答える。イナンナの真意は冥界にまで力を広げることであり、葬儀は口実にすぎない。グガランナは物語のなかで生きて現れることがなく、その死だけが語られる。
エンヌギは、『ギルガメシュ叙事詩』第11の書板の洪水物語で、神々の父アヌ、助言者エンリル、侍従ニヌルタらと並んで、神々の運河監督官として名を連ねる。グガランナがエンヌギの別名であれば、運河の管理という灌漑社会の公職が、そのまま神の名と職務になっている例となる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
妻はエレシュキガル。子はニンアズとされる。エレシュキガルはのちにネルガルを夫とする。
名の表記 GU4.GAL.AN.NA は「アンの大いなる牡牛」とも読めるため、『ギルガメシュ叙事詩』でギルガメシュとエンキドゥに殺される天の牡牛と同一視する説がある。そう読めば、イシュタルが地上に放った牡牛は姉の夫であったことになるが、この同定は確定していない。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。