チャルチウトトリン
チャルチウトトリン · 翡翠の七面鳥 · Chalchiuhtotolin
「翡翠の七面鳥」を意味する病と疫病のアステカの神で、テスカトリポカのナワル(分身の動物)。強力な妖術の象徴だが、この姿をとるときには人を汚れから清め罪を赦し運命を克服させることもできる。
解説
概要
アステカ神話において、チャルチウトトリン(ナワトル語で「翡翠の七面鳥」)は、病と疫病の神であった。
宝玉の鳥チャルチウトトリンは、テスカトリポカのナワル(分身の動物)である。
チャルチウトトリンは強力な妖術の象徴である。テスカトリポカは人を自滅へ誘うことができるが、七面鳥の姿をとるときには、人を汚れから清め、罪を赦し、その運命を克服させることもできる。
職能
病をもたらす者が、同時に病を癒す者でもある。この両義性は、ババルアイエ、シータラーなど各地の病の神格と共通する。
トナルポワリにおいて、チャルチウトトリンはテクパトル(石の刃)の日と、「一の水」で始まる十三日を支配する。
ナワル
ナワルとは、神あるいは人が変身する動物の姿である。テスカトリポカは複数のナワルを持ち、ジャガー(テペヨロトル)、七面鳥(チャルチウトトリン)、猿などに変じる。
七面鳥はメソアメリカで家畜化された数少ない鳥であり、祭の供物として重要であった。
図像
宝玉で飾られた七面鳥として描かれる。ボルジア絵文書に、その姿が残る。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、ボルジア絵文書のチャルチウトトリンである。
家畜の鳥が疫病の神であるという点が注目される。人に近い動物が、人に病をもたらす。家畜からの感染という観察が背後にあるかは不明だが、身近な鳥が選ばれていることは確かである。
関わる神格・伝承
テスカトリポカのナワル。ナワルの観念に属する。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることは少ない。テスカトリポカの変身を論じる文脈で言及される。