ザババ
ザババ · Zababa
キシュの守護神で戦の神。エンリルの子とされたが、アッシリアではアッシュルの子とされた。妻はバウ。鷲の頭を持つ杖を象徴とし、ハンムラビが神殿を修復して法典序文で敬意を述べた。
解説
概要
ザババ(Zababa)は、メソポタミアの神である。都市キシュの守護神であり、戦の神とみなされた。
当初はエンリルの子とみられたが、センナケリブの治世のアッシリアでは、代わりにアッシュルの子とみなされるようになった。女神バウは、古バビロニア期にキシュに導入されたのち、その妻とみなされるようになった。
祭祀
ザババの崇拝は初期王朝期の資料——キシュと他のメソポタミアの都市の双方の文書、たとえばアブ・サラビフのザメ讃歌——から最初に記録される。その重要性は後代に低下した。
キシュはメソポタミア北部の古い都市であり、シュメール王名表において洪水後最初に王権が下った都市とされる。「キシュの王」という称号は、メソポタミア全体の覇権を主張する者が用いた。ザババはその都市の神である。
ハンムラビはキシュのザババ神殿を修復し、その法典の序文でザババとイシュタルへの敬意を述べている。バビロン第一王朝がキシュの伝統を継ぐことを示す政治的な表明である。
職能
戦の神として、ザババはニヌルタ、ネルガルと職能を共有する。ただしニヌルタが農耕から戦へ職能を広げたのに対し、ザババは初めから戦の神である。
その象徴は鷲の頭を持つ杖(あるいは矛)であり、境界石(クドゥル)に刻まれた。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
都市の守護神が国家の交替とともに系譜を変えるという点が、この神を規定する。エンリルの子からアッシュルの子へ——アッシリアがバビロニアを支配したとき、神々の系譜も書き換えられた。
関わる神格・伝承
妻はバウ。エンリルの子(のちアッシュルの子)。キシュの守護神。
文化的足跡
キシュの遺跡(現在のテル・ウハイミル)の発掘では、ザババ神殿の遺構が確認されている。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。