テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
元始天尊
PLATE — 元始天尊
SINÆ · 中国神話・道教
元始天尊

元始天尊

げんしてんそん · 元始天王 · 楽静信

元始天尊の画像 PUBLIC DOMAIN

「太元の炁」を神格化した道教の最高神で三清の筆頭。すべてに先立つ常住不滅の存在で、劫の変わり目ごとに現れて道を説く(開劫度人)。原初の神盤古がもとになったとされる。『封神演義』では闡教の教主。

01

解説

概要

元始天尊(げんしてんそん、Yuánshǐ Tiānzūn)は、道教で最高の位に置かれる神で、霊宝天尊、道徳天尊(太上老君)とともに三清をなし、その筆頭とされる。万物に先立って存在する根源の気(太元の気)を神格化したものとされる。

神話・物語

古くは元始天王と呼ばれた。4世紀頃の道教の書に由来する『元始上真衆仙記』(『枕中書』)は、天地が分かれる前に盤古真人がいて、自ら元始天王と号したと記す。中国の創世神話に現れる原初の巨人盤古の観念が、ここで道教の最高神に結びつけられている。

7世紀の『隋書』経籍志は、道教の教えを説明するなかで、元始天尊は太元に先立って生まれ、常に存在して滅びることがなく、天地が滅びては新たに開けるたびに現れて、その時々の人々に道を授けて救うと述べる。これを「開劫度人」(劫を開いて人を度す)という。世界が繰り返し滅び再生するという考え方には、仏教の劫の観念の影響がみられる。

宋代にまとめられた『雲笈七籤』は、元始天尊が生まれたときに万物に名と実質が与えられたとし、天の最上層である大羅天の玉京に住むと記す。

図像と象徴

三清像の中央に座し、手に珠を持つ姿で表されることが多い。この珠は、天地が分かれる前の混沌、あるいは万物の始まりを表すとされる。本サイトの主画像は、元始天尊を描いた図である。

系譜と関係

三清の筆頭。盤古と結びつけられる。

文化的足跡

明代の小説『封神演義』では、仙人たちの一派である闡教の教主として登場し、弟子の姜子牙を遣わして殷の討伐を助ける。この小説とその翻案を通じて、日本でもその名が広く知られている。

なお道教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q1195885 — 骨格データの出典