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ワイバーン
PLATE — WYVERN
ALIA · その他・未分類
WYVERN

ワイバーン

ワイヴァーン · ヴィーヴル

John Vinycomb, Fictitious and Symbolic Creatures in Art (1906) PUBLIC DOMAIN

二本脚の有翼竜。中世ヨーロッパ、とりわけ英仏の紋章に多く現れ、四つ脚の竜と区別された。棘のある尾をもち、戦争や災いの象徴とされた。

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解説

概要

ワイバーン(Wyvern)は、二本の脚と一対の翼をもつ竜形の幻獣であり、中世ヨーロッパ、とりわけイギリスの紋章学において重要な位置を占める。四肢をもつ竜(ドラゴン)と対比され、後脚のみをもつ点で区別された。多くは棘または矢じり状の尖端をもつ尾で表され、戦争・疫病・罪の象徴として恐れられた。

由来と物語

「ワイバーン」という綴りは17世紀頃に定着した比較的新しい語で、13世紀の中英語wyverに遡り、さらにアングロ・フランス語wivre、ラテン語のvipera(蝮)に由来する。フランス語圏では同源のギーヴル(guivre)、ヴィーヴル(vouivre)と呼ばれ、湿地に棲み宝玉を守る蛇として語られた。

二本脚の有翼竜という図像そのものは中世初期から存在したが、これを四つ脚の竜と別種として区別する慣習は、イギリスの紋章実務のなかで生まれた。16世紀にその区別が整えられ、ジェラルド・レイ『紋章の初歩』(1562年)やジョン・ギリム『紋章の展観』(1610年)といった紋章書が、その図像規範を確立した。ただしこの区別はおもにイギリス・アイルランド・フランスの紋章に限られ、他の地域では二本脚の竜も単に「竜」と呼ばれた。

図像と象徴

紋章のワイバーンは、鷲の爪をもつ二本の後脚、蝙蝠のような一対の翼、そして螺旋を巻いて先端が矢じり状にとがる尾で描かれる。四つ脚の竜と異なり、炎を吐く姿で表されることは少ない。この造形は、蛇(vipera)を語源としながら翼と脚を得た、中世的な合成の産物である。

イギリスでは、二本脚の竜が古きウェセックス王国の旗印である金色の竜と結び付けられ、勇猛と守護の象徴とされた。ヘイスティングズの戦いを描いたバイユーのタピスリーにも、竜の軍旗が見える。中世の動物寓意譚では、バジリスクコカトリスと同じく、しばしば悪魔(サタン)の寓意として登場した。

関わる伝承

ワイバーンは特定の神話体系に属さず、紋章と地方伝承のなかに生きる幻獣である。フランスのフランシュ=コンテ地方では、ヴィーヴルが額に光る宝玉をいただき、沼沢を徘徊する怪物として恐れられた。イングランドでは、しばしば土地や一族の紋章としてその図像が受け継がれていった。

文化的足跡

「四つ脚の竜と二本脚のワイバーン」という区別は、長らく紋章の専門知にとどまっていたが、20世紀後半以降、ファンタジー作品やゲームがこれを広く一般化させた。そこではワイバーンは、竜より小型で獣的な、毒尾をもつ飛行生物として描かれることが多い。学校や競技チームの徽章としても、英語圏で今なお好んで用いられている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q862809 — 骨格データの出典
Commons
Wyverns — 図像カテゴリ