テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
PLATE — נַעֲמָה
ABRAHAMICA · 一神教の伝承
נַעֲמָה

サマエルの妃たち

ナアマ · アグラト・バト・マハラト · エシェト・ゼヌニム

カバラーにおいてサマエルの妃とされる四人のうち、リリス以外の三人。ナアマは創世記に名のみ記された人物が悪魔とされたもの、アグラトは十八万の悪霊を率いて火曜と金曜の夜のみを割り当てられた、エシェトはリリスの添え名が人格化したものである。

01

解説

概要

ユダヤ神秘主義カバラーの文献では、堕ちた天使サマエルには四人の妻がいるとされる。リリス、ナアマ、アグラト・バト・マハラト、マハラトである。本項では、リリスを除く妻たちと、その周辺の存在を扱う。いずれも伝承が乏しく、たいてい組で言及されるためである。聖書に名だけが記された人物や、別の存在の添え名が、のちに独立した悪魔として語られるようになった例を多く含んでいる。

なお本サイトの分類では、アブラハムの体系に含めて扱う。群記事とする。

ナアマ

ナアマ(「快い」)は、ユダヤ神秘主義の基本となる書物『ゾーハル』に記される悪魔である。『創世記』4章22節には、トバル・カインの姉妹としてナアマの名が挙げられているが、それ以上のことは書かれていない。聖書に名だけが記された人物が、のちに悪魔とされたのである。一部の伝承では、ナアマは天使アッザとアザエルを誘惑したとされ、監視者の物語と結びつく。眠っている男を誘惑し、その精から悪霊を生むともされ、リリスと同じ働きを持っている。

アグラト・バト・マハラト

アグラト・バト・マハラト(「マハラトの娘アグラト」)は、十八万の害をなす霊を率いるとされる悪魔である。火曜日と金曜日の夜に外を歩くことは危険とされた。タルムードの伝承によれば、ラビのハニナ・ベン・ドサがアグラトに出会ってこれを追い払おうとしたとき、アグラトは「わたしを完全には滅ぼさないでください」と乞い、火曜日と金曜日の夜だけを与えられたという。悪しき存在が完全には追い払われず、限られた時間を割り当てられているのである。

エシェト・ゼヌニム

エシェト・ゼヌニム(「淫行の女」)は、『ゾーハル』でリリスにつけられた添え名である。もとになった『ホセア書』1章2節の句は、預言者が娶るよう命じられた女性を指している。近年の一部の文献では、これがリリスとは別の悪魔として扱われている。添え名が独立した人格を得るという点で、ルシファーと同じ道筋をたどっている。

四という数

四人の妻という構成は、世界を四つの層に分けて考えるカバラーの体系に対応している。聖なる側に対する不浄の側「シトラ・アフラ」(「他の側」)にも、同じ構造が写し取られているのである。善の側の構造が悪の側にも映されているという点で、ゾロアスター教の六柱の大天使と六柱の悪魔の対応と同じ形をしている。

図像と象徴

固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。

関わる神格・伝承

サマエルの妻たちであり、リリスと並ぶ。

文化的足跡

これらの名は、現代のオカルトや大衆文化で取り上げられることがあるが、その多くはカバラーの文脈から切り離されている。

なおユダヤ教・キリスト教・イスラームは今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその伝承と観念の歴史に関する学術的な整理である。

02

領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

נַעֲמָה
サマエルの妃たち
一神教の伝承
CREATURE
סַמָּאֵל
サマエル
カバラー: サマエルの四人の妻
収載データなし
★
נַעֲמָה
サマエルの妃たち
一神教の伝承
収載データなし
フル系図ページを開く →
04

資料

Wikidata
Q2581609 — 骨格データの出典