テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
ポレヌト
PLATE — PORENUTIUS
SLAVI · スラヴ神話
PORENUTIUS

ポレヌト

ポレニツ · ポレミキウス · トゥルピト

W・ドレセ画(A・サムズ『ブリタンニア・アンティクア・イッルストラータ』1676年、p.455) PUBLIC DOMAIN

リューゲン島カレンツァで祀られたスラヴの神。頭に四面、胸に五つ目の顔を持ち、それを両手で支える像であった。名を「ペルーンの子」と読む説がある。

01

解説

概要

ポレヌト(ラテン語 Porenutius、ポレミキウスとも)は、職能の分からないスラヴの神である。史料はサクソ・グラマティクスの『デンマーク人の事績』と『クニュートリンガ・サガ』の二つしかない。

歴史的に確かなのは、像の描写だけである。頭に四つの顔を持ち、五つ目の顔が胸に埋め込まれていて、その額を左手で、顎を右手で押さえていた。

神話・物語

1168年、デンマーク軍によるカレンツァ接収の記録に、この神は現れる。

ルギェヴィトの像を倒し、次いでポレヴィトの像を引き倒した一団は、続いてポレヌティウスの神殿へ向かった。サクソはこう記す——この像は四つの顔で表され、五つ目の顔が身体に埋め込まれていて、その額を左手で、顎を右手で触れていた。この像は従者たちの振るう斧の下に倒れた。

同じ内容は『クニュートリンガ・サガ』にも記され、そこではトゥルピト(古アイスランド語 Turupið)という崩れた形で挙げられている。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、エイレット・サムズ『ブリタンニア・アンティクア・イッルストラータ』(1676年)に載る銅版画である。W・ドレセの手になるもので、サクソの記述から想像して描かれたものであり、中世の神像の写生ではない。

胸に埋め込まれた五つ目の顔と、それを両手で押さえるという姿勢が、この像を他から分かつ。四つの顔は頭に、五つ目は胸に。同じ五面でありながら、ポレヴィトとは配置が違う。

関わる神格・伝承

ラテン語形ポレヌティウスの解釈には、主に二つの道がある。

一つはポレニツと読むものである。この場合、名は文字どおり「ペルーンの子」を意味し、次の経路で生じたことになる。スラヴ祖語 *Perunъ(嵐の神)→ 古ポラーブ語 *P'orěn(レヒト諸語の母音交替 e → 'o による)→ *P'orěnitjь。スラヴ祖語の接尾辞 *-itjь は父称の機能を持ち、この接尾辞を伴う名は父の名から生じたことを示す(スヴァローグスヴァロジチを参照)。古ポラーブ語ではこれが *-ūt、*-yt、*-ic として継続し、ラテン語ではおそらく -utius、-ucius と綴られた。

この読みが正しければ、この神はペルーンの子ということになる。

もう一つの読みは、第一要素をスラヴ祖語 *pora(「押すこと、力、骨折り仕事の時期」)に結びつけるものである。ヤツェク・バナシュキェヴィチはこの立場から、カレンツァの三神を社会の基本領域を分担する組とみる。ルギェヴィトが戦と共同体を司る主神、ポレヴィトとポレヌトがその性格を補う双子神という構図である。

バナシュキェヴィチによれば、双子はしばしば相反する性格を持つ。ポレヴィトが「力の主、あらゆることに対処できる主」を意味する「肯定的」な双子であるのに対し、ポレヌトは「否定的」な双子であり、その名は「支えを必要とする主」と訳される。接尾辞 -nut を -nud と読み、古ポーランド語 nuda、ドイツ語 Nut——いずれも「必要、強制」を意味する——に結びつける解釈である。像の顔が頭に四つしかなく、五つ目を両手で胸に支えているという細部も、この性格づけを支えるとみる。

文化的足跡

一体の像の描写から、二通りの神格像が導かれている。ペルーンの子か、支えを必要とする双子か。どちらも、斧で倒された像を見た者の記述だけを手がかりに再構成されたものである。

スラヴ神話の研究がしばしば語源学に依存するのは、他に手がかりがないためである。名の一音節の読み方が、その神が何者であったかを決めてしまう。ポレヌトは、その事情を最もよく示す一柱といえる。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q2989077 — 骨格データの出典
Commons
Porenut — 図像カテゴリ