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ポリュムニアー
PLATE — ΠΟΛΎΜΝΙΑ
HELLAS · ギリシア神話
ΠΟΛΎΜΝΙΑ

ポリュムニアー

ポリュヒュムニアー · ポリュムニア · Polymnia

Jastrow (2006) PUBLIC DOMAIN

神々への讃歌を司るムーサで、名は「多くの讃歌」を意味する。九柱のなかで唯一、ヴェールを纏い指を唇に当てて沈黙する姿で表され、讃歌が言葉になる以前の敬虔さを表すと解されてきた。

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解説

概要

ポリュムニアー(Πολύμνια / Polymnia、ポリュヒュムニアーとも)は、神々への讃歌を司るムーサである。名は「多くの」と「讃歌」を合わせた語にあたる。ディオドーロスは、多くの讃歌によって作者たちに不朽の名声を与えるからだとする。ヘーシオドス『神統記』ではポリュムニアーの形で名が挙がる。

九柱のなかで、彼女だけが沈黙の姿で表される。ヴェールを纏い、肘をつき、指を唇に当てて物思いに沈む姿であり、歌の女神のうち一柱が語らない姿を与えられていることは、讃歌が言葉になる以前の敬虔さを表すと解されてきた。

神話・物語

固有の逸話はほとんど伝わらない。アレースの子ケイマッロースとの間にエレウシースに農耕を伝えたトリプトレモスを生んだとする説、オイアグロスとの間にオルペウスを生んだとする説があるが、いずれも主流ではない。オルペウスの母は通常カリオペーとされる。

詩のなかでは、オウィディウス『祭暦』第5巻の冒頭で、5月(マイウス)の名の由来を三柱のムーサが論じる場面に現れる。最初に口を開くのが彼女で、混沌の後に生まれた威厳(マイエスタース)にちなむ名だとする説を語る。

後代の整理では、讃歌のほかに雄弁術、農業、幾何学、瞑想までが彼女の管轄に数えられることがある。担当分野が定まりきらないのは、九柱への分業がもともと後付けであったことの現れである。

図像と象徴

持物を持たないことが持物である。マントに身を包み、柱などに肘をもたせかけて物思う姿勢だけで見分けられる点は、九柱の図像体系のなかで例外的といえる。

本ページの主画像は、後2世紀前半のローマの《ムーサの石棺》(ルーヴル美術館 Ma475)に彫られた彼女である。ヘレニズム期の《ポリュムニアー像》の型を引くもので、同型の彫像がローマ期に数多く複製された。

系譜と関係

父ゼウス、母ムネーモシュネー。九柱の一。トリプトレモスやオルペウスの母とする異伝がある。

文化的足跡

沈黙して物思う姿という造形は、ルネサンス以降の寓意画で「黙想」や「雄弁の準備」を表す型として転用された。小惑星(33)ポリュヒュムニアにもこの名が与えられている。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

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資料

Wikidata
Q104425 — 骨格データの出典
Commons
Polyhymnia — 図像カテゴリ