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パシュパティ
PLATE — पशुपति
BHARATA · ヒンドゥー神話
पशुपति

パシュパティ

パシュパティナート · パシュパティ・ナータ · Pashupati

パシュパティナート寺院(カトマンズ、ネパール)/撮影: Amitbalani, CC0 CC0

「獣たちの主」を意味するシヴァの一形態。ヴェーダ期にはルドラの添え名であった。ネパールの守護神とされ、カトマンズのパシュパティナート寺院が信仰の中心である。

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解説

概要

パシュパティ(サンスクリット पशुपति、「獣たちの主」)は、ヴェーダ期にはルドラの添え名であり、のちにはシヴァの一形態——あらゆる生きものを牧する五面の牧者という穏やかな相——を指す。

パシュは獣を意味すると同時に、シヴァに従う者をも指す。

ネパールの守護神とされ、カトマンズのバグマティ川のほとりに立つパシュパティナート寺院は、同国で最も神聖な場所の一つに数えられる。

神話・物語

ヴェーダの文献において、パシュパティは概してサンヒターとブラーフマナにおけるルドラの添え名として用いられる。『アタルヴァ・ヴェーダ』は、ルドラを二足のものと四足のものの主——大地、森、水、天に住まうものを含む——と記す。家畜その他の獣に対するこの主権は、恵みと破壊の両面を帯びていた。怒りを買った獣は殺し、なだめた者には健康と繁栄を授けたのである。

シヴァ派の最も古い宗派の一つパーシュパタ派は、この名を採る。この派はパシュパティを「至高の神格、あらゆる魂の主、そして一切の存在の因」と奉じた。

『スカンダ・プラーナ』の地域版に収められた『ネーパーラ・マーハートミヤ』は、この神の起源を語る。シヴァは妃パールヴァティーを伴い、バグマティ川のほとりのシュレーシュマータカの森を鹿の姿で訪れた。パールヴァティーは牝鹿の姿をとる。シヴァが姿を消したことに困惑したブラフマーヴィシュヌインドラは三界を捜し回った。ヒマラヤでようやく見出したとき、一本の角と三つの眼を持ち、妃と鹿の群れに囲まれた姿に驚く。神々が敬礼したのち、シヴァが神の姿に戻る意志を持たないことを悟った。神々は角を掴んで抑えようとしたが、角は触れた途端に四つに割れ、シヴァは川岸を跳び越えた。

神々が本来の住処と宇宙における位置に戻るよう懇願すると、シヴァは、自分は永久にこの森に鹿の姿で住まい、以後パシュパティと呼ばれるであろうと告げた。四つに割れた角は、この地方の四つのリンガとして聖別されるという。そしてこの相において自分を祀る者は、けっして獣として生まれることがなく、善き徳に恵まれるであろうと宣した。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、カトマンズのパシュパティナート寺院である。この神の信仰の現に生きている中心である。

パシュパティの五つの面は、シヴァの五形態を表す。サディヨージャータ(ヴァルナとも)、ヴァーマデーヴァ(ウマー・マヘーシュヴァラとも)、タットプルシャ、アゴーラ、イーシャーナ。それぞれ西、北、東、南、天頂を向き、ヒンドゥーの宇宙を構成する五大——地、水、風、火、空——を表す。プラーナは「サディヨージャータ、ヴァーマデーヴァ、タットプルシャ、アゴーラの四面、五番目のイーシャーナは聖仙にすら知りえない」と説く。

インダス文明(前3300〜前1300年)の印章にこの神の最も早い証拠を求める説がある。いわゆる「パシュパティ印章」は、獣に囲まれて坐す角のある人物を表す。ただし、これをシヴァあるいはその原型とみる同定は学界で決着していない。図像上の類似だけを根拠とする議論であり、インダスの文字が未解読である以上、確認する手立てがない。

関わる神格・伝承

ルドラの添え名として始まり、シヴァの一相となった。パーシュパタ派の主神である。

「獣たちの主」という職掌は、他の文明の神格とも比較されてきた。ケルトのケルヌンノスが獣に囲まれて坐す姿で表されることから、パシュパティ印章と並べて論じられることがある。ただし両者を結ぶ史料上の根拠はなく、図像の型が似ているという以上のことは言えない。

文化的足跡

ネパールは世俗国家だが、人口の大半をヒンドゥー教徒が占める。パシュパティは伝統的に同国の守護神とされ、パシュパティナート寺院はユネスコ世界遺産カトマンズ盆地の構成資産の一つである。

日本語圏では、パシュパティナート寺院の名は旅行案内で知られる一方、パシュパティという神格そのものが説明されることは少ない。「獣たちの主」という一語が、ヴェーダのルドラからインダスの印章、そして現代ネパールの国家的な象徴までを貫いている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q2055566 — 骨格データの出典
Commons
Pashupatinath — 図像カテゴリ