ナルヴィ
ノルヴィ · ノル · Narfi
夜の女神ノートの父である巨人。名は古サクソン語の「夜」に関連づけられ、夜の父の名もまた夜を意味する可能性がある。昼も大地もその孫にあたり、すべての時間が巨人の系譜から出ている。ロキの子ナルヴィとは別人。
解説
概要
ナルヴィ(Narfi、ノルヴィ、ナリ、ノルとも)は、北欧神話におけるヨトゥン(巨人)であり、夜の擬人化ノートの父である。
なお、ロキとシギュンの子ナルヴィ(ナリ)とは別人である。同名の人物が二人いる。
神話・物語
古ノルド語の名ノルは、古サクソン語のナロウワ(「夜」)に関連づけられてきた。古サクソン語『創世記』断片の詩句「ナロウワ・ナハト・アン・スキオン」に現れる語である。
すなわち、夜の父の名もまた「夜」を意味する可能性がある。
ただし古ノルド語の形容詞 nǫrr は「狭い」を意味し、名を「閉ざされた、重苦しい」の意の形容詞とみる説のほうが有力ともされる。
『スノッリのエッダ』の「ギュルヴィたぶらかし」第十章は次のように記す。
「ノルヴィあるいはナルヴィという名の巨人がヨトゥンヘイムに住んでいた。彼にはノートという娘があり、巨人族の常として黒く暗かった」
ノートは三度結婚し、ナグルファリとのあいだにアウズを、アンナルとのあいだにヨルズ(大地)を、デリングとのあいだにダグ(昼)をもうけた。
『ヴァフスルーズニルの言葉』第25節も、昼の父はデリングで、夜はノル(ナルヴィ)から生まれたと答える。同じ節は、満ちる月と欠ける月は神々が年を数えるために造ったと続ける。『アルヴィースの言葉』でも、夜は「ノルの娘」と呼ばれる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
娘はノート、孫はアウズ、ヨルズ、ダグ。夜が巨人の娘とされ、昼も大地もその子とされるため、北欧の神話では昼夜と大地がいずれも巨人の血を引くことになる。
ロキの子ナルヴィとは別人である。ロキの子ナルヴィは、ロキが縛られる場面に現れる。『ロキの口論』結びの散文では狼に変えられる側、『ギュルヴィたぶらかし』第50章では狼になった兄弟ヴァーリに引き裂かれ、その腸でロキが縛られる側である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。