ムンム
ムンム · Mummu
アプスーの従者(スッカル)で、若い神々を滅ぼすようアプスーに勧めた。エアに捕らえられ鼻に縄を通されて冠を奪われた。名は「創造の力」を意味し、ダマスキオスは新プラトン主義的に「知性の世界」と解釈した。
解説
概要
ムンム(Mummu)は、メソポタミアの神である。その名はアッカド語のムンム「創造の力」に由来すると推定される。神名としてだけでなく、創造者としての役割を強調する複数の他の神格の称号としても確認される。儀礼文書は、ムンムがエンメシャッラやキングのような神格と同じく、活動しない存在と受け取られていたことを示す。
エヌマ・エリシュ
ムンムは叙事詩『エヌマ・エリシュ』において最もよく知られ、そこではアプスー——通常は超自然的な水域ではなく人格化された神格として扱われることは稀である——の従者として描かれ、主人とともにエアに敗れる。
若い神々の騒がしさに眠れなくなったアプスーは、ムンムに相談する。ティアマトは子らを殺すことに反対したが、ムンムはアプスーに子らを滅ぼすよう勧めた。この助言が神々に伝わり、エアは呪文でアプスーを眠らせて殺し、ムンムを捕らえて鼻に縄を通し、その冠を奪って自らかぶった。
『エヌマ・エリシュ』の外からの証拠も知られるが、比較的稀である。ムンムへの後代の言及が、ダマスキオスによって保存されたロドスのエウデーモスの著作の一節に同定されている。
名と性格
ムンムの名は「創造の力」「知恵」「形」などと解される。ダマスキオスはムンムを「知性の世界」と解釈し、新プラトン主義の枠組みでバビロニアの神話を読んだ。
助言者として物語を動かしながら、以後まったく現れないという位置が、この神を規定する。アプスーの死とともに舞台から消える。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
鼻に縄を通されるという場面は、捕虜の扱いを写している。アッシリアの浮彫には、王が捕虜の鼻に縄を通して引く図がある。神話の場面が、現実の戦争の慣行を反映している。
関わる神格・伝承
アプスーの従者(スッカル)。エアに捕らえられた。
スッカル——神の宰相にして使者——は、メソポタミアの万神殿における重要な役職である。ニンシュブル(イナンナのスッカル)、ヌスク(エンリルのスッカル)と同じ位置にある。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。