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メヘト・ウレト
PLATE — MḤT-WRT
AEGYPTVS · エジプト神話
MḤT-WRT

メヘト・ウレト

メフトゥルト · メヘト・ウェレト · Mehet-Weret

PharaohCrab CC0

「大いなる洪水」を名とする天の牝牛の女神。天を満たす原初の水であり、世界の始まりに太陽を産んだ母でもある。角のあいだに日輪を戴く牝牛として描かれ、トゥトアンクアメンの寝台にも形をとどめる。

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解説

概要

メヘト・ウレト(mḥt-wrt / Mehet-Weret)は、「大いなる洪水」を名とする古代エジプトの天の牝牛の女神である。天を満たす原初の水そのものであり、同時に、世界の始まりに太陽を産み落とした母でもあった。

神話・物語

名は『ピラミッド・テキスト』にすでに見える。エジプトの宇宙観では、太陽は天の水の上を舟で渡る。メヘト・ウレトはその水の広がりであり、太陽が毎日その上を進む道でもあった。

創世の場面では、この女神が世界の始まりに太陽を産んだと語られる。末期王朝のエスナの神学では、創造女神ネイトがこの牝牛の姿をとって太陽神を産んだとされ、両女神は重ねられた。産む者でありながら太陽の通り道でもあるという二重の性格は、太陽を呑んでは産み直す天の女神ヌトと通じ合う。

新王国の『死者の書』第17章は、太陽神がメヘト・ウレトから生まれたと述べる。ハトホルやネイトと同じく「ラーの目」とも呼ばれ、太陽の母と太陽の目が一柱のうちに重なっている。

図像と象徴

角のあいだに日輪を戴き、首に飾り帯を巻いて伏す牝牛として描かれる。『死者の書』の挿絵でも、この牝牛の姿で現れる。

トゥトアンクアメン王墓から出た三台の儀式用寝台のうち一台は、牝牛の頭と斑の体をもち、角のあいだに日輪を挟む。側板に記された名から、この寝台はメヘト・ウレトをかたどったものとされる。王の遺体が天の牝牛に運ばれて再生するという観念を、家具の形で表した作例である。

系譜と関係

ネイトのほか、同じく天の牝牛であるハトホルとも重ねられ、イシスと結ぶ例もある。エスナでは神ヘカの母とする伝えもある。牝牛の姿の女神には、ほかに乳の女神ヘサトや、上エジプト第7ノモスのバトがいる。

文化的足跡

トゥトアンクアメンの牝牛の寝台は、獅子・河馬の寝台と並んで1922年の発見以来たびたび展示され、王墓の副葬品のなかでも特異な造形として知られる。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

収載データなし
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資料

Wikidata
Q847958 — 骨格データの出典